箱館奉行所で開館記念事業 能楽体験講座 柏崎さんが解説
update 2021/7/31 07:32
国の特別史跡、函館市の五稜郭跡にある箱館奉行所(丸山千明館長)は29日、能楽体験講座を同奉行所大広間で開いた。函館出身の金春流能楽師、柏崎真由子さん(41)が講師を務め、能の代表的演目「高砂」の世界を分かりやすく解説した。
同奉行所は2010年7月29日に開館。当初は開館10周年事業として昨年能楽体験講座を開く予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で1年延期となっていた。
柏崎さんは函館白百合高校卒業後、東京の大学に進学。在学中に能と出会い、80世宗金春安明氏と高橋万紗氏に師事。現在は歌と舞を担当するシテ方として、東京を中心に活動している。
この日は、2回の体験講座に約80人が参加。福を呼ぶ「高砂」の世界をテーマに、国立能楽堂(東京)での高砂の上演の様子を動画で紹介しながら「高砂の松(兵庫)と住の江の松(大阪)を相生の松と呼び、遠く離れていても心がつながっている夫婦を象徴している」と説明した。
柏崎さんは高砂の一場面を実際に披露した後、舞台上での基本的な動き方を参加者にレクチャー。また、子どもたちに能面をかぶらせ、視界の狭さや歩きにくさなどを体験させる場面もあった。
祖母の実家へ帰省中の金子碧月さん(8)=兵庫=が参加者を代表し能面を身に着けた。「足元が見えにくくてびっくりした。能のことは全然知らなかったけど、柏崎さんの動きが格好良かった」と喜んでいた。柏崎さんは「皆さんが熱心に話を聞いてくれてうれしかった。機会があれば、ぜひ函館で能を上演したい」と話していた。
同奉行所では、8月1〜31日に兵糧庫を特別公開する。見学は無料。午前10時〜午後3時。1日は兵糧庫の解説付き見学会を開く。午前11時から、午後2時からの2回で各回20分程度。申し込みは不要。
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