清掃技術身につけ自立へ 就労移行支援事業所「ウイッシュ」1日に開所
update 2021/6/29 07:04
建物清掃に特化した就労移行支援事業所「WiSh(ウイッシュ)」(函館市柏木町15、阿相義則代表)が、7月1日に開所する。長年ビルメンテナンス業界で培った経験を生かし、建物清掃の知識や技能を指導し、資格取得もサポートする。
同事業所は、3月までビル総合管理会社マルゼンシステムズ会長、道ビルメンテナンス協会函館地区協議会会長を務めた阿相義則さん(70)が、40年間にわたる業界での経験を生かし、建物清掃の基礎から訓練し、就労につなげる場として立ち上げる。
近年、職業教育の一つとして清掃作業を採用する特別支援学校が増えつつある。阿相さんは在職中、地元の特別支援学校の先生から卒業後にも学べる事業所があればという話を聞いていたという。
事業所は、「希望」という思いを込めて「ウイッシュ」と命名。建物清掃の実技の基礎について、事業所独自の1〜6級の検定を設けて指導し、1級取得者には国家資格のビルクリーニング技能検定3級にも挑戦してもらう。
開所にあたり、住宅施工会社「日商興産」の3階を事業所として改修。同技能検定の実技試験で必要となるポリッシャー(床みがき機)を使って磨く床コース、ガラス面洗浄のためのアルミ枠で囲んだ板ガラス、トイレ清掃のための温水洗浄便座付き移動便器を備えている。
技能検定には実技試験と学科試験があり、訓練の際は学科と実技の授業を交互に実施するなど、利用者ができるだけ飽きないように配慮。同検定1級を保有する阿相さんやスタッフが指導にあたり、将来的には2級や1級に挑戦できる体制も整えていきたい考えだ。
24日に函館市から設置が許可され、1日のオープンに向けて準備を進めている。定員は20人だが、初年度は6人からスタートする予定。
年1回の同技能検定3級の受験会場は、昨年度まで道内では札幌市内にしかなかったが、今年度からはポリテクセンター函館(日吉町3)での開催が認められることになったため、受験にかかわる負担軽減も期待されている。
阿相代表は「建物清掃に特化した就労移行支援事業所は珍しく、全道でも他にないのではないか。埋もれている障害を持っている方は結構いると思う。就労に結び付け、豊かな生活を歩むお手伝いができれば」と話している。問い合わせは同事業所(0138・86・5166)へ。
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