高齢者、子育て世帯の居住率を視覚化 まちセンがグラフ制作
update 2021/6/8 07:58
函館市地域交流まちづくりセンターは、2015年の国勢調査のデータを活用して、函館市内の各町ごとの高齢者率と、高齢者独居率、18歳未満同居世帯率の構成分布が視覚的に分かるグラフを作成し、館内に掲示している。高齢者が多く独居率も高い、高齢者が少なく子育て世帯が多いといった特性が分かり、将来予測もできるよう工夫。地域に必要な支援を考える切り口として活用してもらいたい考えだ。
同センターは3月末、IIHEO(人と組織と地球のための国際研究所、東京)の川北秀人代表を招いて、地域で課題解決に取り組む「小規模多機能自治」をテーマにした講座を開催。受講内容の実践に向けて、イメージや思い込みではなく、データに基づいて地域に必要な課題を考えてもらおうと、2種類のグラフを制作した。データは15年の国勢調査の小地域集計、全市、全国の平均の数値には国立社会保障・人口問題研究所の将来推計も活用した。
町ごとの高齢者率(全市平均32・4%)と65歳以上の一人暮らし世帯の比率(同23・4%)を掛け合わせたグラフでは、横軸に高齢者率、縦軸に独居率を配置。例えば、高齢者率が平均値に近い時任町は独居率が30%近いが、吉川町は15%未満と世帯構成が異なることが推察できる。山の手2丁目と臼尻町は、高齢者率は平均以上、独居率は平均以下で、近い位置に町名が書かれ、実際の場所は離れているが、似たような課題を抱えたグループとみることもできる。
同様に高齢者率と18歳未満同居世帯率(同16・9%)を掛け合わせたグラフでは、北美原1は子育て世帯が25%を超えているが、同2丁目と同3丁目は平均値に近く、高齢者率も1丁目よりも高め。隣接地区でも色合いが異なる場合もある。
推計値を交えた1995〜2035年の全国、全市平均の折れ線グラフも併記し、5年後、10年後にどの町の現状に近くなるかを知ることもできる。
同センターでは今後、20年の国勢調査結果の詳細データ公表後の更新や、別の視点からの分析も検討する。丸藤競センター長は「これからのまちづくりに高齢者は外せないテーマで、どういう支援が必要で活躍の場をどのようにつくればよいのか、同じ函館といっても町ごとに特性がある。グラフを見た人が新たな気づきを得たり、分析テーマの要望を寄せてもらえれば」と話している。
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