10年前の恩忘れない 石巻商業高野球部有志が知内町に50万円寄付

update 2021/3/11 07:25


 【知内】知内町が東日本大震災の被災地支援の一環として、2011年8月に招待した宮城県石巻商業高校硬式野球部の有志一同がこのほど、感謝を込めて同町に50万円を寄付した。寄付金は知内高校野球部が今後予定している東北遠征の費用に充てる予定。

 被災地で練習がままならない球児たちの姿をテレビで見た当時町長の大野幸孝さん(69)が「少しでも良い環境で練習をさせてあげたい」と支援を提案。被災地にいる知人を介して石巻商高硬式野球部の約30人を招待した。知内高野球部後援会が協力し、知内高校、函大付属有斗高校などの道内チームとの試合のほか、焼肉パーティー、函館観光などもてなした。

 昨年12月、知内高が第93回選抜高校野球大会(3月)の21世紀枠候補校に選ばれたのを機に、当時石巻商高監督だった水沼武晴さん(58、東北生活文化大高校野球部監督)が「甲子園への費用に」と主将だった佐藤光也さん(宮城県松島高校野球部部長)に呼び掛け、29人で50万円を集めた。

 甲子園への出場はかなわなかったが、2月1日に寄付金と当時の思いが綴られた手紙が町に届いた。電話取材に応じた水沼さんは「ヘドロで劣悪な環境で練習を強いられていた中、知内町に招待されて思う存分練習でき、町民に人たちからも良い思いをさせてもらった。癒されたあの5日間の恩は忘れられない」と今も替わらない感謝の思いを話した。

 有志一同による寄付金に大野さんは「純粋に何も考えず、良い環境で野球を楽しんでほしいという思いだった。本当に喜んでくれたか半信半疑だったが、10年経っても忘れずに恩返しをしてくれたことをうれしく思う」と感無量の様子。知内高の南和敏事務長は「大変感動している。10年前の支援に関わった関係者の尽力で今がある。この縁を大事にして、何かあれば今後もできるだけ支援をしていきたい」と話していた。

提供 - 函館新聞社

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