旧ロシア領事館の売却契約締結 25年のオープン目指す
update 2021/3/10 11:56
函館市は船見町の旧ロシア領事館について、1日付で愛知県の自動車部品販売・卸売業「ソヴリン」(村瀬啓社長)と売買契約を締結した。売却額は3000万円。同社は新年度から同館の改修整備に取り掛かり、ホテルや販売スペースなどを備えた総合施設として2025年のオープンを目指す。
ロシア領事館は1858年に初めて置かれたが、大火による焼失や移転を繰り返した。現在の建物は1908年に完成したもので、3732平方メートルの敷地にれんが造り2階建ての本館682平方メートルとブロック造2階建ての宿泊棟609平方メートルからなる
建物は戦後、国が所有、のちに市が購入し1965〜96年に研修施設「道南青年の家」として活用されたが、建物の老朽化が進む現状を受け、公開プロポーザル(提案型公募)方式で売却先を募集していた。
同社の村瀬社長は、北海道大学水産学部の学生として函館で過ごした経験があり、当時から元町周辺の歴史的建造物への思い入れが強かったという。また函館とゆかりの深い作家の谷村志穂さんとも交流があり、同館の改修整備計画についてのアドバイスも受けている。
同社広報は「歴史的にも文化的にも価値の高い建物の魅力を伝えながら、函館のあらたな観光スポットとして、地元の人にも旅行者にも愛される施設運営を目指したい」と話している。
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