クマ対策ボードゲーム開発 七飯町の吉田さんらが共同で

update 2021/2/18 06:54


 【七飯】一般社団法人ハイパーイナカクリエイトの吉田浩平代表理事(33)は、「社会課題の解決」を目的としたシリアスボードゲームを手掛ける「Pine Tree(パインツリー)」(東京、松木崇晃理事長)などと共同で「七飯町クマ対策ボードゲーム」の開発に取り組んでいる。現在はゲーム内容などの調整段階で、夏にも完成させたい考え。

 シリアスゲームは、さまざまな立場を経験することができるため、多角的な視野を得られたり、失敗を通じて知識を身に付けられたりするメリットがある。

 吉田さんは6年前に七飯町の嘱託職員として採用され、これまで鳥獣対策や大沼の保全活動などに従事してきた。その中で、農家やハンター、行政が鳥獣対策を主導している現状に疑問を持つようになり「地域一丸となって考えていく方法はないか」と頭を悩ませていた。

 そんな中、2年前にパインツリーが開発したイノシシ対策のシリアスボードゲームを体験する機会があり、そこでイノシシに関する知識を身に付けられたという。その後、松木理事長らにクマ対策のゲームについて話を持ち掛けたところ共感を得られ、昨年から開発を進めてきた。

 ゲームは2〜6人用で、プレイヤーは住民4人、クマ2頭に分かれる。春夏秋冬をそれぞれ1ターンとし、最大で8ターン(2年間)行う。住民は農地を開拓するか、電気柵や爆竹などのクマ対策を取るかを選択しながらマスを進み、クマは開拓されている農地の農作物か1ターンごとに登場する観光客が捨てるゴミを狙って進む。最終的には住民とクマのどちらの行動が勝ったかで勝敗が決まる。

 ゲームを通じて、クマの農地への侵入防止策やクマとの共存、観光客の餌付け問題などを考えられるといい、吉田さんは「クマは困らせたくて人里に来ているわけではないことを理解してほしい。ゲームを楽しみながら学んでもらえれば」と話している。

     ◇

 吉田さんをはじめとする開発メンバーは、開発経費などをクラウドファンディングで募集している。一口3000円からで、返礼品としてクマとイノシシのボードゲームやオンライン体験会などを用意している。受け付けは26日まで。サイトは(https://readyfor.jp/projects/pine-tree)から。

提供 - 函館新聞社

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