母の故郷で魂の舞 ギリヤーク尼ヶ崎さん記録映画完成

update 2021/2/1 08:03


 昨年8月に90歳になった函館出身の大道芸人、ギリヤーク尼ヶ崎さんが監督、主演した記録映画「魂の踊り」が完成した。新型コロナウイルス流行によって各地で開催してきた青空公演が中止となる中、原点に立ち返ろうと、弟の光春さん(81)と秋田県や函館近郊のゆかりの地を巡り、亡き母への思いを込めて踊る様子などを収めた。

 「伝説の大道芸人」とも称されるギリヤークさん。昨年はコロナ禍で公演ができず、投げ銭という収入源も絶たれた。近年はパーキンソン病などを患い、昨年5月には心臓のペースメーカーの電池交換手術を受けた。ただ、芸を極めようとする意欲は衰えることなく、卒寿の記録を残そうと映画制作を企画した。

 秋田県能代市では両親の墓前で「じょんがら一代」を披露。青森から函館にフェリーで渡り、函館では若松町にあった生家で菓子屋「紅屋」だった建物前で踊った。また、元町公園では函館西高校吹奏楽局員のトランペット演奏で誕生日を祝福されたり、ギリヤークさんを慕う人たちから温かいもてなしを受ける様子も収めた。

 クライマックスは母静枝さんの故郷、八雲町落部の海岸で海に入って「念仏じょんがら」をささげるシーン。数珠を持ち、遺影に向かって「母さん」と泣き叫ぶ姿から、亡き母への強い思いが伝わる。

 若き日の公演映像や写真なども織り交ぜた。冒頭、「投げ銭だけで生きてきた男がいます。舞台は路上。伝説の大道芸人 ギリヤーク尼ヶ崎」と口上を述べるのは、ギリヤークさんと長い親交がある俳優の近藤正臣さんで、ナレーションを担当した。

 旅に同行した紀あささんによると、完成した映画を観たギリヤークさんは落部のシーンで涙を流し、「何回見てもここがいい」と話しているという。ギリヤークさんは「落部の海での踊りは命懸けの思いだったが、映画に残すことができてよかった。体を整えて、動きを取り戻してまた踊りたい。100歳まで踊りたい」とコメントしている。

 クレジットタイトルには事前に映画製作を応援した函館をはじめとする全国のファン約70人を紹介している。DVDは2500円(税込)、ミニフォトブック(A5判、96ページ)付5000円(同)。販売サイトは(http://kino.shopselect.net)、問い合わせは紀さん(080・3318・5466)へ。

提供 - 函館新聞社

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