口取りづくりピーク 市内の菓子店
update 2020/12/29 07:38
函館市内の菓子店では、タイやエビ、松竹梅などの縁起物を形取った正月用の伝統菓子「口取り」の製造がピークを迎えている。
口取りは北海道でおせち料理の食材を手に入れるのが困難だった時代に定着し、無病息災を願って食べる習慣がある。菓子製造業の吉田食品(函館市西桔梗)では、製造作業はすべて手作業で、白あんと求肥(ぎゅうひ)を混ぜた練り切りで小豆のこしあんを包み、木型で形をつくる。形ができあがると、色を付け、寒天で光沢を添えて仕上がり。かつては形の種類も現在より多く、同社の直売店「ひとひら」の店頭には、以前使っていた木型を展示している。
同社では時代の流れに合わせて「小セット」(636円)や、一口サイズの「鯛蝦さくらんぼ」(356円)「鯛蝦鶴亀」(453円)などの小型製品を主力にしてきたが、3年前から品揃えを増やし、サイズの大きな口取りも復活させた。ネット通販では54センチの特大サイズのタイの口取り「T54」も扱う。「古里を懐かしむ道外からのお取り寄せ需要も増えている」(吉田貴之社長)という。
同社では30日まで8000個以上を製造。道南のスーパーなどの店頭に並ぶほか、本社併設の直売店でも販売する。
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