ラ・サール、初戦敗退も聖地で堂々プレー
update 2020/12/28 07:27
【大阪】第100回全国高校ラグビー大会は27日、大阪府東大阪市の花園ラグビー場で開幕した。北海道ブロック代表のラ・サール(3年ぶり3回目)は1回戦で長崎県の長崎北陽台と対戦し、14−69で敗れた。花園初勝利は次回に持ち越されたが、選手たちはラグビーの聖地でチームスローガン「Always Attack」を体現し、堂々とプレーした。
最後まで懸命に食らいつく
「花園で闘う」。今季の目標にたどり着いたラ・サールのフィフティーンは、ノーサイドの笛が鳴るまで懸命に食らいついた。宇佐見純平監督は「花園でプレーできて本当に幸せ。高校生らしく、爽やかにはつらつと思い切って大きくプレーしてくれた」と誇らしげに選手をたたえた。
前半3分にペナルティーゴールで先制を許した直後の5分、こぼれ球を拾ったスタンドオフ(SO)川村心馬(2年)が10メートルラインから単独で走り切り、中央へトライ。試合終了直前には左センター安永匠吾(3年)もトライを挙げ、一矢報いた。
一度も下を向かなかった。長崎北陽台に立て続けに得点されるも、そのたびに円陣を組んで気持ちを整えた。ナンバーエイト吉田蒼(同)は「相手は体が強く、一つ一つのプレーが丁寧。守る時間が長かったが、ピンチをチャンスと捉えて楽しめた」と振り返った。
例年と違う過ごし方を強いられた中、全員が感謝を胸にプレー。宇佐見監督は「タクシーの運転手さんや近くの商店街の方、世界中にいるラ・サールの関係者などたくさんの方から『今年一番うれしい』『テレビの向こうで応援しています』と温かい言葉をかけてもらった。試合を通じて、何かを届けられたのでは」とあふれる涙を拭った。
悲願は次代に託す。スクラムハーフ米重皓己主将(3年)は「体格やプレーの質は相手が上だが、気持ちの部分では負けていなかった。やってきたことは間違いではなかった。これから後輩が勝てば、僕たちも報われる」と目を潤ませ、グラウンドを後にした。
俊足飛ばしターンオーバートライ 川村
前半5分、SO川村はこぼれ球を拾い上げ、俊足を飛ばしてターンオーバーの独走トライを決め、歓喜の輪の中心に。「受け身にならず、ディフェンスからプレッシャーをかけたのがトライにつながった。うれしい」とはにかんだ。
空中戦に勝機を見出したラ・サール。川村は10月の南大会で敗れた札幌山の手戦以降、磨き続けてきたキックでも結果を出した。後半25分、22メートルライン付近からのハイパントが相手のファンブルを誘い、安永のトライにつなげた。緊張する場面で仕事をし「全て出し切れた。来年3月には全国選抜が控えている。体作りが急務」。次期主将は闘志を燃やした。
終了間際に一矢 安永
試合終了間近のラストプレーで、トライを決めた安永は「最後までやりきろうと、集中を切らさずにプレーしていた。みんながつないでくれたおかげ」と仲間に感謝した。
最終盤でも諦めなく向かってくるラ・サールに押され、長崎北陽台がハイパントをゴール前で落とし、それを安永が拾って中央に飛び込んだ。「3年生で試合を盛り上げようと頑張ってきた中、自分が決めた喜びより、全力を尽くすことができたことが良かった」と話した。
▽1回戦
長崎北陽台
431029…650040─69
TGPD前…TGPD後─計
11007…11007─14
ラ・サール
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