函館の古建築、精密な筆致で 藤枝さん絵画展「鉛筆画の世界」

update 2020/12/24 07:32


 市立函館博物館郷土資料館(末広町、旧金森洋物店)は、北斗市在住の藤枝和政さん(71)による絵画展「鉛筆画の世界」を同館で開いている。精密な筆致で描いた12点の函館の歴史的建造物と等身大≠フ国宝「中空土偶」の水彩画を展示している。来年1月17日まで。

 普段は植物画を手掛け、昨年、市内で開いた展示会に向けた作品を並べた。明治以降の函館に実在した建物の写真を市中央図書館のデジタル資料館で探し、鉄筆で用紙にトレース。硬さの異なる鉛筆を使い分けて建物を描く。A4判サイズ1枚を描くのに約40時間、日数で2週間程度かかったという。

 12点のうち、現在も建物が残るのは市臨海研究所(旧函館水上警察署)、函館公園内の旧図書館、旧ロシア領事館の3点のみ。ブラキストン旧邸、函館区役所など、今は見ることができないが、往時の函館の繁栄が伝わる建物ばかりだ。

 藤枝さんは「絵に描き起こすことで建物に立体感が出てくる。窓が開いていることに気がついたり、写真でははっきりと分からないことが見えてくる。観光客の方にも函館にはすてきな洋館があったことを知ってもらえたら」と話している。

 観覧には入館料が必要。毎週月曜日と25日、28日から1月4日、同12日は休館。問い合わせは同館(0138・23・3095)へ。

提供 - 函館新聞社

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