スルメイカ再び不漁で影響じわり
update 2017/12/16 07:17
道南スルメイカ漁は11月以降、再び漁獲低迷に見舞われ、鮮魚販売や水産加工など関係者が苦しい状況に追い詰められている。大勢の観光客が連日訪れる函館朝市では、函館の名物として店頭に並んでいるはずだったスルメイカが激減。函館朝市えきに市場の人気店「元祖 活いか釣堀(つりぼり)」も水槽内で泳ぐイカがスルメイカからヤリイカに変わるなど、イカの確保に頭を悩ませている。
「スルメイカが全く入ってこない。昨年も記録的な不漁で厳しい状況だったが、今はそれよりひどい」。朝市で鮮魚を販売する高田屋の村本廣幸代表(64)は困惑の表情を浮かべる。15日に同店の店頭に並んだイカは、スルメイカではなくヤリイカ。そのヤリイカも昨年と比べると「値段が3倍以上高くなっている」という。スルメイカ不漁の原因について「大和堆で外国船がイカを大量に漁獲しているのが原因では」と話し、「松前小島で目撃された北朝鮮の木造船の件もあるし、国には政治や外交でしっかりとした姿勢を見せてほしい」と語気を強める。
釣ったイカをその場で味わえることから観光客に人気の「元祖 活いか釣堀」では現在、スルメイカのかわりにヤリイカが泳いでいる。同店の沼田泰司さんは「スルメイカは確かにないが、今のところイカが全くなくて困るといった状況ではない」としながら「ただ昨年も今ごろはヤリイカを使っていたが、値段を比べると2割近く高くなっている」とし、イカ釣料金に反映せざるを得ない状況だ。
市農林水産部によると、市水産物地方卸売市場の1〜10日の生鮮スルメイカ取扱量は3トン(前年同期=28トン)で、統計が残る2005年以降、同期としては過去最低だった昨年をさらに下回った。1キロ当たりの単価は466円(同=930円)、取扱金額は139万7000円(同=2604万3000円)。漁期は1月末まで。
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