子ども歌舞伎に拍手喝采 4年ぶり公演
update 2017/11/27 07:46
「よっ!待ってました」−。函館の歌舞伎役者市川団四郎さん(77)が主宰、指導する「函館子ども歌舞伎」の4年ぶりとなる第11回公演(函館子ども歌舞伎を育てる会主催、函館新聞社など後援)が26日、市芸術ホールで開かれた。小学1年生から高校2年生までの30人による笑いあり、涙ありの芝居に胸を打たれた観客は拍手喝采(かっさい)で応えた。
「加賀見山旧錦絵(かがみやまこきょうのにしきえ)」は、お局岩藤(佐藤和淑さん)によってぬれぎぬを着せられ自害した尾上(古谷果乃羽さん)の無念をお初(佐々木亜珠さん)が晴らす物語。お初に対して奥女中の桐島(若山凱雄君)が「岩藤様は偉いお人で、芸能界なら泉ピン子、政治家なら小池百合子」と笑いを誘ったり、お初が憎々しい演技を見せた岩藤を討ち取る場面ではひときわ大きな拍手が起こった。
「白浪五人男 稲瀬川勢揃いの場」は小学1〜3年生の11人全員が初出演。与力と捕り手が5人の盗賊との対決を前に気合を入れる独自の演出で全員にせりふと見せ場を作った。赤穂浪士の討ち入り直前の様子を描く「義士外伝土屋主税」では、浅野内匠頭への忠義を貫く大高源吾(今井真弥さん)の胸に秘めた思いが観客の感動を誘った。
市川さんと親交のある埼玉県小鹿野町の小鹿野子ども歌舞伎柴崎好一代表(73)は「子どもたちがしっかり演じた。積み重ねてさらにいい演技を」とエールを贈った。市内新川町から来場した小松良子さん(68)は「公演を待っていました。新しい子たちが新鮮で、団四郎先生もお元気そうで良かった。次回を楽しみにしています」と話していた。
加賀見山に続き、土屋主税にも出演した弥生小6年の古谷さん(12)は「せりふを言い終わった時が楽しい。(子ども歌舞伎を続けて)どんな役でもやってみたい」と話していた。
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