椴法華の大龍寺が珍しい「座禅堂」新設

update 2017/11/18 07:54


 函館市椴法華地区の大龍寺(島泊町166)は、このほど座禅堂を新設した。計20人がいっぺんに座り、座禅を組むことができる珍しい施設だ。冨田直也住職(43)は「道南では初めてではないか。静かな環境で座禅に親しむ機会にしてほしい」と利用を呼び掛けている。

 冨田住職は大阪出身。2009年に先代の住職が亡くなり、後を継ぐ住職を探していた檀家の呼び掛けに応じる形で、翌10年に同寺にやってきた。その中で「道内では座禅を組んだ経験のある人が少ないと感じ、大勢の人に座る機会を持ってもらえれば」と、専用スペースの設置を思い立った。座禅堂を構えた寺院は全国でも多くはないといい、約1200万円を投じて6月下旬から建設、10月に完成した。

 通常時に16人、最大20人が一度に座ることができ、円形の座蒲(ざふ)を尻に当てて座布団を敷き、壁を向いて足を組むのが基本形。テーブルも備え、会議や写経などにも使えるという。

 木造平屋建ての建物は冨田住職のこだわりが詰まった造り。京都・源光庵の本堂の左側に「悟り」を示す丸い窓、右側に「迷い」を表す四角い窓があることにならい、座禅堂でも左に丸、右に四角の窓を配すとともに、中央にも窓を設けたのが特徴。中央の窓は“とどのつまり”を意味する「畢竟(ひっきょう)空の窓」と名づけ「悟りも迷いも何もない」(冨田住職)と、無心に帰る場所であることを表現している。施工を担当した竹工務店(柏木町)の竹修平専務(37)も「洋のテイストも取り入れながら、柔らかで落ち着ける内装に仕上げた」と話す。

 利用は無料で、事前の電話連絡が必要。初めての人には座り方なども指導する。冨田住職は「騒がしい都会を離れ、街の中では得られない体験を得てほしい。温泉入浴や観光も含めて利用してもらえれば」と話している。問い合わせは同寺(0138・86・2532)へ。

提供 - 函館新聞社

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