乳がん患者に癒やしの場を チームピンクが「キャンサーサロン」開設

update 2017/10/12 07:25


 乳がん予防の啓発活動を行うピンクリボンin函館「TeamPINK(チームピンク)!」(川村佳子代表)はこのほど、乳がん患者ら向けの癒しの場「ピンクリボン函館キャンサーサロン」を函館市昭和1に開設した。川村代表は「家でも病院でもない、第二のわが家づくりを目指していきたい」としている。

 サロン運営で先進的な取り組みをする「マギーズ東京」を参考に、チームピンクの拠点事務所を一部改装。ソファーやテーブルなどを置いた共有スペースのほか、乳がんに関する書籍類やパンフレットを置いた図書スペース、個別相談に対応する個室も2室設けた。キッチンもあり、飲み物や菓子類も常時用意。川村代表は「お茶を飲んだり、本を読むなどして、ゆっくり時間を過ごしてほしい」と話す。カウンセラー資格を持つ専門職やボランティアスタッフら5人で運営する。

 2年前、抗がん剤治療中の女性患者から事務所に電話があり、「居場所がない」などと切実な悩みを打ち明けられた。その後もさまざまな境遇の患者や家族らの声を聞く中で、自宅や病院以外に気軽に立ち寄れる場所が必要と感じたという。

 マギーズ東京は昨年秋、英国発祥の支援施設「マギーズキャンサーケアリングセンター」をモデルに開設され、川村代表は3度訪れて開設の準備を進めてきた。サロンを利用する40代の女性は「他の病院に通院する患者さんと情報交換もしたい。患者同士がつながり合える場になってほしい」と話す。

 今後は医療従事者によるセミナーやアロマセラピー、ヨガなどのプログラムを企画したり、専門職による就労支援にも対応したりする考え。川村代表は「自分の力を取り戻せる受け皿のような場にしていきたい」と話す。

 サロン利用の対象者は乳がん患者と治療経験者、家族、遺族らで、開放時間は平日午前10時〜午後5時、土曜午前10時〜正午。日曜、祝日休み。利用は1回500円で、事前に連絡が必要。申し込み、問い合わせはチームピンク(0138・41・8249)へ。

提供 - 函館新聞社

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