北ミサイルまた道南上空通過、住民緊張

update 2017/9/16 08:08


 北朝鮮が15日朝、太平洋に向けて弾道ミサイル1発を発射した。前回発射の8月29日と同様に、渡島半島上空を通過し、襟裳岬の東約2200キロの太平洋上に落下したと推定。ミサイル通過直前の午前7時ごろには全国瞬時警報システム(Jアラート)が作動。通勤、通学時間帯に重なったことから、道南の各自治体も緊張感が高まった。

 函館市によると、Jアラートは正常に作動。東部4支所管内では、ミサイルの発射、通過の情報に合わせて、消防の各支署などから手動で防災無線を放送。情報伝達の遅れはなかったとしている。

 渡島、桧山両管内でも目立ったトラブルは確認できていないが、松前町の一部世帯では防災無線の戸別受信機で、放送が聞こえないと数件の問い合わせが町に寄せられた。尾坂一範総務課長はJアラートなどのシステム上の不具合ではないとし、「無線が混線した可能性がある。原因は調査中」とした。

 交通機関も大きな混乱はなかった。JR北海道によると、北海道新幹線の上下線2本が青函トンネル内を走行中にそれぞれ10分程度停止。10分以内の遅れで木古内駅と新青森駅に到着した。函館市電、函館バスも運行中の車両を一時停止させ、安全確認後に運行を再開した。

 函館市教委は、前回の発射後に各学校に注意喚起済み。深堀小学校(紺野克典校長)では、市教委の指導のもと午前7時半に全校児童へメールを送信。教諭らが校区内の安全確認を行い、登校後は全学級で改めて指導した。また、市内では東小が1時間、北斗市内の大野農業高校で2時間、浜分小学校、浜分中学校で30分程度始業時間を繰り下げた。

 今週末の連休を前にこの日もにぎわいを見せた函館朝市でも観光客や関係者に動揺が広がった。静岡から妻と旅行中の会社員の加納邦明さん(53)は「食事していた時に警報音が鳴り、とても不安な気持ちになった。北朝鮮の暴挙は許せない」と憤る。函館朝市協同組合連合会の井上敏廣理事長は「直接の被害はないとはいえ、こんな事がたびたび起きて商売に影響が出ないか心配する店主もいる」と不安を口にした。

提供 - 函館新聞社

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