新幹線効果で上昇地点も 道南路線価
update 2017/7/4 07:48
札幌国税局は3日、相続税や贈与税の課税基準となる2017年分の土地の路線価(1月1日現在)を発表した。函館税務署管内の最高路線価(1平方メートル当たり)は函館市本町の道道函館南茅部線通りの丸井今井函館店前で、前年と同額の14万5000円。JR函館駅からベイエリア、西部地区にかけての一部では上昇した地点もあり、北海道新幹線の開業効果が表れた結果となった。道内の変動率の平均は前年比0・1ポイント高の0・9%、全国は同0・2ポイント増の0・4%
道内30税務署管内の最高路線価は、函館など10税務署が前年と同額。上昇は札幌市内5署と小樽、富良野、倶知安の8署で前年と同数。下落は八雲、江差を含む12署で、前年より1署増えた。
函館税務署管内は下落傾向が続いてきたが15年に下げ止まり、3年連続で横ばい。国道278号のキラリス函館前で前年比2000円増の9万3000円となるなど、JR函館駅周辺は増加傾向にあり、函館市新川町の不動産鑑定士、景澤周平さん(景澤不動産鑑定事務所)は「観光客の増加した地点で上昇したことは新幹線開業効果と言える」とするが「市内全体には波及しておらず、明暗が分かれた形となった」と指摘する。最高路線価となった丸井今井函館店前付近では「シエスタハコダテ」が開業するなど来年以降のプラス要因もあるが、全体的な見通しについて景澤さんは「人口減少が続く中では観光客の増加など外的要因がない限り、上昇は難しいのではないか」とみている。
江差税務署管内の最高路線価は江差町本町の道道江差停車場線通り(五勝手屋本舗前)の2万3000円で、下落率は前年比4・2ポイント増の8・0%。八雲税務署管内は、八雲町本町の道道八雲北桧山線通り(渡島信金八雲支店前)の2万6000円で、下落率は同0・1ポイント増の3・7%。
道内最高路線価は札幌市中央区の道道札幌停車場線通り(札幌ステラプレイス前)の368万円で、前年を17・9%上回った。後志管内倶知安町の道道ニセコ高原比羅夫線通りは前年から77・1%の増加で3年連続で全国一の上昇率となった。
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