「カール」販売中止に惜しむ声 三橋美智也さんのCMソングで有名

update 2017/5/27 07:43


 【北斗】菓子メーカーの明治(本社・東京)は25日、スナック菓子「カール」の東日本での販売を8月で終了すると発表した。49年間愛された国民的な“ブランド”で、特に道南は旧上磯町出身の歌手三橋美智也さんがCMソングを歌っていたことから、惜しむ声が聞かれる。

 明治広報によると、「カール」は1968年7月25日に発売。三橋さんの歌を盛り込んだCMは1974年から93年までに歌詞などを変えながら31本が放映された。

 三橋美智也ファンらでつくる「みちやふるさと会」の池田豊会長(北斗市在住)は「(カールのCMは)歌声を多くの方に伝え、多くの方の記憶に残す役割を果たしてくれた」と感謝した。新函館北斗駅にある三橋美智也記念碑を訪れた北斗市の会社員(64)の夫婦は「ヒット曲は多いが、三橋さんの声を身近に感じることができたのはCMのおかげ」と話す。

 北斗市きじひき高原内には車を一定速度で走らせると音楽が聞こえてくる「メロディロード」があるが、その音楽は「カール」のCMソングの一部分。同高原のパノラマ展望台を管理する北斗市観光協会の臨時職員、松下純一さんは「多くの人の耳に残った曲。まちの宝として守っていくことに変わりない」と話す。

 CMソングに決まった経緯について北斗市役所経済部観光課は「出身者である三橋さんの曲で、若者も含め幅広い世代に親しまれているとして選んだ」と明かす。メロディロードを開発し、施工を手掛けた篠田興業(根室管内標津町)の篠田静男社長は「半世紀にわたって愛されてきた菓子。なじみのある方は、聞きながら味を思い出したり、口ずさむなどして旅を楽しんでほしい」と呼び掛ける。

 「カール」は近年、ポテトチップスなどに押され、売り上げが低迷。函館、北斗市内でも大手食料品店を除くと、取り扱い店は減っているが、市内のスーパー「キングストア堀川店」の木村秀夫次長は「ご年配の方を中心に懐かしい味を求めて買われる方は多い。1週間に1度ほどのペースで入荷している」と話した。

 明治によると、9月以降は西日本でのみでの販売となる。

提供 - 函館新聞社

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