フェリー旅客好調、航空機は冬季振るわず 16年度
update 2017/4/12 13:33
JR北海道がまとめた2016年度の北海道新幹線(新函館北斗―新青森間)の利用者は約226万3000人で、前年の在来線と新幹線を合わせた実績と比べて1・6倍となった。競合するフェリーの青函航路は、自動車を利用しない一般旅客が前年の2倍を超える月があった一方、航空機(函館―羽田線)は冬季に利用が落ち込み、明暗が分かれた。
新幹線の1日当たりの平均利用者は約6200人で、月別の最多は8月の約9600人。平均乗車率は32%で、6〜9月が40%を超えたものの、1〜3月は20%以下にとどまり、閑散期の利用促進が課題として浮き彫りとなった。
JR北海道は閑散期の需要開拓を急ぐ方針で、10月〜来年3月の平日などに沿線住民が新函館北斗―新青森間を正規料金と比べて7割以上安い4000円で往復できる企画を実施する予定だ。
3社が運航する函館―羽田線の16年度の利用者(速報値)は、前年比4・8%減の111万5549人。10月以降は前年からの減少幅が1割を超える月も発生した。日本航空函館支店は「新幹線と航空機で利用者を奪い合い、落ち込みが大きくなった」と分析する。
本年度の見込みについて、全日空函館支店は「昨年と比べて函館のメディア露出は減ることが予想される。前年割れは避けられそうにないが、旅行会社へのPR強化に努めたい」とする。
一方、昨年4月〜今年2月の青函航路の一般旅客は同17%増の13万323人で、全ての月で前年を上回った。特に2月は前年の2・2倍に上り、奥凱(オーケー)航空が1月に天津―青森間のチャーター便を就航したことで、船旅を満喫しようとフェリーを利用する外国人客が急増した。
道運輸局函館運輸支局は「鉄道運賃が割高になった影響もある」と説明。津軽海峡フェリーは「昨年7〜9月に展開した青森県・函館デスティネーションキャンペーンを契機として、青函圏を往来する旅客の母数が増えた」と手ごたえをつかむ。
同社は昨年と今年で新造船を計2隻投入したほか、車1台分の10%割引運賃でドライバーを含む最大8人まで乗船可能とする割引サービスを展開するなど攻勢を強めており、「車をフェリーに積み込んで利用する旅行客の需要掘り起こしにも力を入れたい」と話している。
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