16年度、観光施設集客伸ばす 新幹線開業効果が顕著
update 2017/4/5 08:05
2016年度の函館・近郊主要観光施設の入込数が、このほどまとまった=別表。函館山ロープウェイは2年連続で過去最多を更新したほか、五稜郭タワーは10年ぶりに100万人の大台を突破するなど、道南全域で北海道新幹線効果が顕著に表れた。開業2年目の本年度は利用客の落ち込みが懸念される中、関係者はPRの強化で高止まりを狙う考えだ。
函館山ロープウェイは、天候不良や昨年末の事故による運行停止があったものの、前年比8・7%増の197万8938人と、過去最高を記録した15年度の182万人を上回った。本年度の見込みについて、同社は「ロープウェーの整備日数が増えることなどから、昨年度に比べ入込客数は少し落ちる」と予測した上で「新幹線だけでなく、クルーズやLCC(格安航空会社)などと合わせ、一層の相乗効果を期待したい」としている。
五稜郭タワーは、15年度の77万人を大きく上回る同31・6%増の101万8985人で、現在のタワー(2代目)がオープンした06年度の111万人に次ぐ記録。同社は「オフシーズン中は国内客が数字を落とした一方で海外客が伸びた」と分析。本年度に関しては「新幹線効果は薄れ、昨年度並みの数字になるとみている。ホテルが取れず、敬遠され気味だった国内客が戻ってきてくれることに期待したい」とし、外国人客対応にもさらに力を入れる計画だ。
箱館奉行所は同24・3%増の17万9032人で、5年ぶりの増加。旧函館区公会堂は同15・1%増の17万4408人で、13年ぶりに17万人台を回復した。同公会堂の佐久間浩志館長は「旅雑誌や旅行会社への働きかけを続け、17〜18万人を維持したい」と話す。
開業効果は函館周辺にも及んでおり、松前城資料館は同15・0%増の4万6705人。6月以降新幹線を利用したツアー客が増えたといい、担当者は「今年は桜が見ごろを迎える5月から団体客の入り込みに期待したい」と話す。
また、江差追分会館は同40・5%増の1万9014人で、6年ぶりに増加に転じた。江差町追分観光課主幹の三好泰彦さんは「想定していた1万8000人を上回った。この水準を保てるかどうか、今後のPRが重要だ」と話している。
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