赤用ブドウから白ワイン 奥尻ワイナリーが醸造成功
update 2017/3/30 08:10
【奥尻】奥尻島で収穫したブドウを原料にした「奥尻ワイン」を生産する奥尻ワイナリー(海老原孝CEO=最高経営責任者)は、赤ワイン用ブドウ品種「メルロー」を使った白ワインの醸造に成功、4月3日に販売を始める。フレッシュな飲み口とフルーティーな香りの中口の白ワインで、メルロー白の発売は「日本では初めてではないか」(同社)としている。
メルローは黒ブドウの代表的な品種で、フランス・ボルドー地方原産。日本海の潮風を受けて育った奥尻島産ブドウはミネラルが豊富で、白の方がミネラル感の特徴を引き出しやすいと判断、8年がかりで開発に取り組んだ。
同社によると、ブドウを収穫後、房ごと搾汁することで色が果汁に移るのを防いだり、酵素により色が赤くなるのを防いだりする技術を駆使して完成させた。
薄い黄色がかった透明色で、くどくない甘さ、フルーティーで小豆のような香り、きれいな飲み口と長い余韻が楽しめる。アルコールは11・5度。
同社は、島内の約30ヘクタールのブドウ畑でメルローを含む10品種を栽培。2008年に醸造を始め、09年にワインの販売を開始した。天然ミネラル豊富な奥尻ワインは道南ブランドの一つとして認知されている。
同社の菅川仁常務は「これまで製造販売してきたメルロー赤は年配の男性向けだったが、今回の白は幅広く女性にも受けられる」と話す。同社の調査ではスイスのティチーノ地方で醸造されている記録があるという。今回は約2800本を製造した。
3日は午前8時〜午後5時、函館空港2階売店で試飲を提供する。価格は750ミリリットル入り2862円。
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