福島町が「昆布プロジェクト」立ち上げ
update 2017/2/10 08:25
【福島】町は、静岡の総菜メーカー「ヤマザキ」および福島吉岡漁業協同組合と、未利用資源の早採りコンブを活用した6次産業化に向けて「福島町昆布プロジェクト」を立ち上げ、9日に事業化合意書への調印を行った。地元関係者は雇用創出や地域経済の活性化に期待を寄せている。
事業の初年度は、ヤマザキが全額出資して1日に町内に設立した新会社「北海シーウィード」で、乾燥重量10トン程度を目標に総菜に加工を行い、ヤマザキの販売網を活用して全国へ出荷する。事業の採算性が確認され、早採りコンブの供給体制が整った段階で、町と漁協も出資し3者共同で事業拡大を目指していく。
早採りコンブはマコンブ養殖の副産物として発生する。現状では海に廃棄されることが多く、町は有望資源として活用を模索していた。町が北海道銀行を通してヤマザキを紹介されたのは2年ほど前で、以降、協議を重ね、今回の調印に至った。
吉岡総合センターで行われた調印式には、鳴海清春町長、新会社の代表も務めるヤマザキの山崎寛治会長、漁協の阿部国雄組合長のほか、道銀の山川広行副頭取らが出席した。
鳴海町長は「3者連携で事業を成功させ、漁業者が豊かになり、地域経済が潤うようにしたい」とあいさつ。山崎会長は「漁業者に豊かになってもらうという信念で事業を始める。水産物の加工だけではなく、販売まで取り組むのが私たちの責任」と事業展開への考えを述べ、阿部組合長は「3者出資の合弁企業はできるだけ早く始めたい。町に若い人たちの働く場を作れれば」と期待を示した。
6次産業とは、農水産業の生産者自身が加工、流通の付加価値を得られる事業形態を指す造語。道銀によると、6次産業化の試みは農畜産業が多く、水産物の6次産業化は同行が関わった事例としては初めて。
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