道南イカ壊滅的不漁 今季取扱量1493トン、最低更新
update 2017/1/21 08:43
今季の道南スルメイカ漁(漁期は1月末まで)が終了し、函館市水産物地方卸売市場での生鮮取扱量(昨年6月1日〜今年1月10日)が前年比35%減の1493トンとなり、過去10年で最低の水準となることが分かった。太平洋側の不漁が目立ち、2年続けて最低を更新した。
市農林水産部によると、1月は水揚げがなく、漁は昨年12月末に事実上終わった。本年度の取扱量は2015年度実績(2315トン)を下回り、05年度以降で最低を更新。一方、平均単価は1キロ779円となり、過去10年では15年度実績(411円)を上回る空前の高値を記録した。同部は「壊滅的な不漁の年だった」と振り返る。
月別にみると、前年の数量を上回ったのは6月の179トン(前年171トン)のみで、年間を通じて漁獲が伸びなかった。特に12月はしけが多かったり、漁に出ても空振りに終わるなどして、わずか33トンの水揚げにとどまった。
函館市漁協(瀧川久市組合長)は「水揚げは少なかったが、堅調な単価高に支えられた。しかし、十分な補てんができたかと言えばそうではない」とする。同漁協はスルメイカとコンブが主力だけに、スルメイカの減少は取扱高に与える打撃も大きい。渡部保光専務理事は「近頃の原油価格高騰に伴い、燃油代がじわじわと上昇を続けており、来季の漁が始まる6月ごろどうなっているか心配だ」と懸念を示す。
道総研函館水試(寺井稔場長)の澤村正幸研究主査は「今季は釧路や羅臼でも捕れておらず、太平洋全体の資源量が少なかったことが不漁の要因と考えられる。近年は資源量がある程度あって、函館近海での漁場形成がうまくいかない年が続いていたが、今季は不漁の原因が異なる。来季も同じことが起きないか注意が必要」と話している。
その他の新着ニュース
- 生産性向上や魚種転換支援 函館市、イカ不漁長期化で新制度創設へ...2018/1/1
- 今年の道南首長選 北斗は選挙戦か 七飯は2氏激突...2018/1/1
- ひと足早く初詣=@大晦日の亀田八幡宮...2017/12/31
- 戌年準備万端 犬もおしゃれ...2017/12/31
- 年末年始の買い出しで市場、スーパーにぎわう...2017/12/31
- 2018道南経済予測 日銀、財務事務所のトップに聞く...2017/12/31
- (ニュースファイル2017)道南10大ニュース・上...2017/12/30
- 年越し、正月準備追い込み もち、そば…...2017/12/30
- 帰省ラッシュ本格化 新幹線、空港は混雑...2017/12/30
- 歳の市 年の瀬のまちに縁起物並ぶ...2017/12/29
ご注意:
●掲載している各種情報は、著作権者の権利を侵さないよう配慮の上掲載されるか、又は、各情報提供元の承諾の元に掲載されています。情報の閲覧及び利用については「免責事項」をよくお読み頂いた上で、承諾の上行って下さい。
●掲載中の情報の中には現在有効ではない情報が含まれる場合があります。内容についてはよくご確認下さい。