希望ヶ丘学園の創作クラブが2点入賞 道知的障がい者芸術祭みんなあーと・展示部門

update 2024/10/21 21:11


 今年の「北海道知的障がい者芸術祭みんなあーと2024」の展示部門で、函館市古川町の障害者支援施設、希望ヶ丘学園(佐藤孝之施設長)の創作クラブの作品2点が入賞を果たした。いずれも貼り絵で、アイヌを題材にした作品と、創作の過程で出た切れ端を利用したものの2点。楽しみながら作った力作で、メンバーや関係者は喜んでいる。

 芸術祭は北海道知的障がい福祉協会の主催で22回目。今年は全道から344点の応募があり、107点が入選、10点が入賞に選ばれ、そのうち2点が同施設の作品。「コロポックルと友だちになりたいな」が北海道知的障がい福祉協会会長賞、「余り紙を集めたら、夢のような絵になった」は北海道共同募金会会長賞を受賞した。

 創作クラブには同施設の20〜70代の利用者11人が入っている。芸術祭には毎年応募し、連続して入賞しているほか、最高賞を獲得する年もあった。

 元小学校校長の安藤信男さんと妻の佐智子さん(79)の2人で長くボランティアで指導を続けてきたが、信男さんが今年3月に75歳で急逝。5月から佐智子さん一人となった。メンバーにも報告し、悲しみや寂しさを感じていたが、現在は意欲的に活動しているという。佐智子さんは「お父さん(信男さん)も入賞を喜んでいるはず」と涙ぐむ。

 入賞した作品は、アイヌ文化に親しんでもらおうと、古い伝承に登場するコロポックルを選んだ。「コロポックルが自分たちの顔になったところが楽しい」と笑う。もうひとつはたくさんたまっていた切れ端を利用して制作。「不思議とバランスのとれた良い作品になった」。

 職員の温かいまなざしとサポートを受け、安心してのびのびと活動する様子に目を細める佐智子さんは「作品づくりには時間もかかるが、感性が豊かで、私たちをびっくりさせるような良いものが生まれる。作ることで社会とつながり、入賞で自己肯定感が高まるのでは」と話す。

 佐藤施設長(52)は「クラブのメンバーは創作活動が大好きで真剣。意欲的に取り組めるのも安藤さんや職員が協力してくれるおかげ。作品が認められてメンバーも喜んでいる」と笑顔で語った。

提供 - 函館新聞社

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