親子でつかんだ日本一 江差追分一般の部優勝の内村さん

update 2024/9/24 07:28


 【江差】町文化会館で20〜22日に行われた第60回記念江差追分全国大会(江差追分会、町主催、函館新聞社など後援)の一般の部で優勝した札幌市の内村義徳さん(42)=函館声徳会=は「昨年の悔しさをバネに頑張ってきた。うれしいの一言」と喜びをかみしめた。ソイ掛けを務めた、師匠で父の徳蔵さん(75)も「よく頑張った。立派」と目頭を潤わせた。

 義徳さんは函館市出身。全国大会は7度目の出場で、おととし3位、昨年2位と着実に実績を積み上げた。今年は一層の決意で挑み、基本を大事にしながらも味わい、情緒を出せるよう節回しに磨きをかけてきた。徳蔵さんの指導の下、一緒に江差追分を志す娘の月菜さん(13)が昨年の少年の部で日本一に輝いたことも発奮材料となった。

 今大会の決選会の発表順はくじで1番。誰もが嫌がると言われるトップバッターだったが、「北前船の船頭として49人を引っ張るイメージで臨んだ」と前向きに切り替え、本番は「1年間やってきたことを出せた」と振り返る。徳蔵さんも「重圧に負けず波の深みを感じるような味わい深い歌だった」とたたえた。

 尺八奏者として一緒に出演するはずだった尺八の師匠、林成道さん(65)が7月に闘病の末、亡くなった。容体が悪化するまで「自分も出るんだ」と言い続けてきた林さんの思いを胸に刻んでステージに立ち、生前「日本一になる」と交わした約束を果たした。

 今後に向けて義徳さんは「父とともに江差追分を若い人たちに伝えていきたい。自分自身もさらに精進していく。これからが本当のスタート」と誓った。

提供 - 函館新聞社

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