最優秀賞に鳥倉さん 新箱館家具デザインコンペ
update 2018/12/4 07:46
かつて洋家具製造が盛んだった函館で、道南スギを活用した家具の新たな地域ブランド「新箱館家具」の確立を目指すデザインコンペの2次審査会(渡島総合振興局など主催)が1日、函館アリーナで開かれた。一次審査を通過した8作品のプレゼンテーションを行い、上川管内東神楽町在住の鳥倉真史さん(41)が考案したいす「Φ40(フォーティーファイ)」が最優秀賞に選ばれた。
同振興局や地元の製材業者などでつくる「木づかいプロジェクト」が、地域材の活用を広げようと2015年度から取り組んでいる活動の一環。今年は開港による文化発展を背景に、洋家具作りの歴史を持つ函館で、地域材の道南スギを活用し、新たなブランドを確立させ地域の発展に寄与しようと開かれた。
審査会には、空間デザインなどを創造するパワープレイス(東京)の若杉浩一さんを委員長に、良品計画ソーシャルグッド事業部担当の高橋哲さんら7人が審査を担当。2次審査では全国から応募のあった29作品から、1次審査を通過した8作品の考案者が、コンセプトなどをプレゼンした。
最優秀賞に輝いた鳥倉さんの「Φ40」のプレゼンでは、実際に道南スギを使って製作したいすを披露。フレームの厚みや面形状の直径を40ミリに設定。「使用者は高齢者を想定して、重さを5キロ程度にすることで、重すぎず軽すぎないようにした。スギの柔らかさや優しさを生かした」と説明した。
実際に座り心地を確かめた審査員からは「(柔らかい)道南スギは家具に向かないといわれる中、とても新鮮なアイデアだ」などと高評価。若杉審査委員長も「和と洋が合った家具として、新箱館家具の名にふさわしい作品だった」とたたえた。
鳥倉さんは年明けにも函館へ移住し、入舟町に工房を設ける予定だという。最優秀賞に輝いた「Φ40」は、来年度中に無印良品シエスタハコダテ店で展示販売を行う。
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