経済効果5・8億円「函館マラソン」0・2億アップ

update 2018/11/22 07:24


 函館マラソン大会実行委員会と函館大は21日、7月1日に開催した「2018函館マラソン」の市内への経済波及効果が5億8000万円だったとする試算結果を明らかにした。消費金額が大きい道外参加者が増えたため、昨年の大会を2000万円上回った。市負担金(3600万円)の約16倍に当たる効果があることが分かった。

 出場者へのアンケートを基にした経済波及効果の推計は、昨年に次いで2回目。函大の大橋美幸准教授(社会学)、2年の武井伽耶飛さん(20)、近藤美優さん(19)が発表した。アンケートは7139人に用紙を配り、大会後に郵送で回収。有効回収数は1569人、回収率22・0%だった。

 参加者と同行者が宿泊や飲食、土産などに消費した総額を約2億6438万円と計算。生産誘発倍率1・49を乗じた額を約4億円とした。昨年は約3億8000万円で、1人4万円を消費する道外参加者が昨年より239人増えたことが消費額全体の数字を押し上げた。

 これに、事業費1億2000万円を道地域間産業連関表(2005年)に入れ込んだ約1億8000万円を加え、合計で5億8000万円となった。

 大会の満足度を9項目にわたって調査したところ、エイドステーション運営は満足が77・5%で、昨年より16・2ポイント増。これまで設置していなかった体を冷却するスプレーエイドを2カ所設けて好評だった。沿道応援も満足が3・2ポイント増の79・6%、大会公式ウェブサイトも満足が2・7ポイント増の69・7%。

 一方、大雨の影響で荷物預かりや「おもてなしフェスタ」の会場となった千代台公園多目的広場は、水はけが良い場所にもかかわらず、多くの人が歩いたことでぬかるみが発生。コースの幅員も、道路脇にできた水たまりを避けるためフルとハーフのコース分けが徹底されず、課題を残した。

 実行委は、荷物預かりとおもてなしフェスタについて代替場所を確保するとともに、道路管理者への道路改修要望、人力で道路脇の水を掃く作業の強化など改善策を検討する。

 市教委は「満足度が昨年より高まったり、今年も高いまま維持されたりしてランナーから支持されていると自負している。アンケートの意見に着目した対策を講じ、より良い大会を目指す」としている。

提供 - 函館新聞社

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