雪捨て場新たに4カ所開設、市が除雪計画見直しの素案示す
update 2018/8/9 07:19
函館市は8日、今年度の除雪計画の素案を明らかにした。昨冬の記録的な降雪で大幅な遅れが生じた除排雪作業の効率化を目指し、市民用の雪捨て場を新たに最大で4カ所開設。市内5カ所に簡易観測点を新設し、降雪状況をきめ細やかに把握する。一方、市が同日明らかにした昨年度の除雪費は、当初予算を5億円以上上回る9億8134万円に達した。
市民向けの新たな雪捨て場は、万年橋公園(北浜町)と西小学校跡地(弥生町)。大雪時は、大森公園(大森町)と日乃出広路(日乃出町)を臨時開放し、新川公園(上新川町)や古川町資材置き場など既存の5カ所に加えて、最大9カ所の体制とする。
町会や公共施設に貸し出す小型除雪機180台を用意し、「スノーボランティアサポートプログラム」を拡充することを踏まえ、地域の住民向けに街区公園も雪捨て場として開放する。
除雪業者用の雪捨て場は、緑の島を新たに開設。排雪作業に必要なダンプの確保が難しいことから、運搬時間の短縮で効率を上げる。
簡易観測点は、西部・西旭岡・東山・赤川・西桔梗の5地区に設置。市内2カ所(美原、高松町)の気象庁観測点と併せ、地域ごとの適切な除排雪作業に役立てる。
幹線道路を最優先と定めていた除排雪作業の順序も見直す。大雪時は道路の種別を問わず柔軟に対応し、昨冬、苦情が相次いだ生活道路の除排雪の改善を目指す。
また、国と道、市の道路管理者による連絡調整会議を開いて情報共有を図るほか、業者との緊密な連携で路面状況などのパトロール体制を強化する。
昨年11月から今年3月までの函館の累積降雪量は、過去最多の510センチを記録。除雪費は当初予算の4億円と予備費を合わせた7億円を使い切り、補正予算3億円を計上する事態に至った。除排雪作業は生活道路を中心に大幅な遅れが生じ、市に寄せられた苦情は1万件を超えた。こうした事態を受け、市は約10年ぶりに除雪計画を大幅に見直した。
素案は、8月下旬以降に開催が見込まれる函館市議会経済建設常任委員会で審議後、成案化される見通し。市土木部は「昨冬の教訓を生かし、大雪時にも対応できる除排雪体制づくりに努めたい」としている。
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