「市民の声」大幅増849件、犬魂碑や除排雪
update 2018/5/28 07:39
函館市に寄せられた2017年度の「市民の声」は、前年度比159件増の849件となった。市民の意見や提案を市政に反映するため開設しており、市企画部が制度を引き継いだ12年度以降で最多。同部は「犬抑留所(見晴町)内の犬魂碑や、除排雪に関する意見が多かったことが要因」と分析している。
同部によると、投稿場所は市ホームページ(HP)が同87件増の376件で最多。次いで本庁舎の投函箱が同42件増の228件、湯川支所が同33件増の90件、市の代表メールに来て市民の声と分類されるものが前年と同じ43件、市中央図書館が同15件増の40件、亀田支所が同2件減の29件、郵送が同18件減の17件など。HPの増加は、スマートフォンやタブレット端末の普及に伴う投稿環境の充実が背景にある。
意見としては857件(複数の区分にまたがるものは重複集計)あり「安心・安全な暮らし、戸籍、税金、国保、ごみ、道路、市電」が最多の431件。「職員、庁舎管理、市行財政、議会、選挙、その他」が176件と続いた。3位は「市政に関係ないもの」が78件だった。
ペットの犬猫の焼骨を収める犬魂碑に関しては150件寄せられた。市は16年4月から新たな焼骨を取り扱わないことにしており、七五郎沢の最終処分場に搬入している。これに対し「骨はなぜ入れないのか」といった意見が多かった。除排雪は前年度が4件だったのに対し、35件に急増。記録的な大雪となった今冬の降雪は市民生活に大混乱をもたらした。一方、前年度に28件と多かった学校再編に伴う旭岡小学校については統合が先送りとなり、意見がなくなった。
年代別の内訳を見ると、不明の453件を除くと、最多が60代の105件、40代が94件、50代が66件、30代が55件、70代以上が42件、10代以下が24件、20代が10件。
実際に市政に反映した意見や提言は、緑の島の閉鎖・車両による入場の規制を市HPで知らせたほか、市内で開催される講演会やイベントの講師プロフィルをチラシに掲載するよう庁内に文書を出した。また、市総合保健センター内の血圧計を利用しやすいよう荷物台を設置したり、湯川支所にタクシー会社の電話番号一覧を掲示したりした。
市民の声は1997年度に開設。回答は公表しており、市民と情報を共有し市政への信頼を高める狙い。同部広報広聴課は「建設的な要望や提案を寄せてもらえるよう制度の趣旨をPRしたい」としている。
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