函館市 予備費切り崩しで除雪費確保へ
update 2018/1/30 07:37
今冬の大雪を受け、函館市は除雪費を追加する方針を固めた。昨年11月からの函館市内の降雪量は平年の1・5倍に上り、市の除雪費は、26日までに当初予算の6割以上に当たる2億3000万円を執行。今後見込まれる降雪で2月には底を着くことが予想され、市は予備費の切り崩しや補正予算の編成で財源を確保したい考えだ。
当初予算の除雪費が払底する見通しとなったのは2年ぶり。本年度は、昨年度と同じ3億7000万円を予算に計上。積雪が少なかった昨年は、1月末時点の執行が約6000万円だったが、今年は既に前年の4倍近くに達した。
気象庁の速報値によると、28日現在の函館の1月の降雪量は1メートル23センチ。昨年11月からの降雪量の合計は3メートル33センチで平年(2メートル17センチ)の約1・5倍に当たる。市土木部維持課は「除雪をしてはまた大雪の繰り返しで、作業が追いつかない」とし、28日の大雪でさらに除雪費はかさみ、予算額が底をつくのは確実だという。
市は過去の大雪時の対応と同様に、補正予算や予備費を充てる方針。1月末で約4億円の除雪費を支出した2015年度は、2億円の追加補正を行ったが、同課は「15年度の規模ほどではない。まずは予備費を充て、今後の降雪に柔軟に対応したい」としている。
同日夜は、道南の広い範囲で雪となった。同庁によると、函館市は同日午後3時から雪が降り始め、同9時からの1時間に4センチ、同10時からの1時間に9センチがあり、29日午前零時まで20センチの降雪があった。同時刻の積雪は平年(25センチ)の約2・3倍となる57センチに達し、1月として観測史上6番目となった。
函館地方気象台によると、この日の大雪は発達中の低気圧が津軽海峡付近を通過し、大気の状態が不安定となった影響。そのため、雪は短い時間に多く降ったという。
29日朝は、除雪が行き届いていない市道で、交差点で雪にはまり立ち往生するトラックも見られた。市内末広町では駐車場の除雪をあきらめ、湯川町まで市電で向かうという会社員も。犬の散歩をしていた東川町の主婦は「歩道がなく、車道も歩けず危ない状態なので、犬を抱えています」と話していた。
今後の気象について、向こう1週間は曇りや雪となる日が多く、最高気温はプラスの日が多くなる見込み。札幌管区気象台発表が25日に発表した道内の向こう1カ月の天候の見通しによると、冬型の気圧配置は平年より強くなる見込みで、日本海側の降雪量は平年より多くなる見込み。
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