古里への思い込め合唱 大沼中が「千の風音楽祭」大賞に
update 2018/1/19 08:43
【新潟、七飯】名曲「千の風になって」の世界を歌唱や楽器演奏など、さまざまなジャンルで自由に表現する「第10回千の風音楽祭」(実行委主催)が8日、新潟市民芸術文化会館で開かれ、七飯町代表として初出場した大沼中(楢山聡校長)が、大賞に当たる「千の風賞」を受賞した。1、2年生16人が曲や古里への思いを合唱で届け、観客に感動を与えた。
同音楽祭は全国各地から参加者を募集し、計5団体が「千の風になって」をピアノ演奏やフラダンス、手話パフォーマンスなどで披露。観客は1300人集まり、同曲訳詞、作曲の新井満さんや歌手の菅原洋一さんらが審査した。
同校では昨年11月半ばから約2カ月にわたって練習に取り組んだ。メンバーは部活動が異なり、歌唱力での選抜でもなかったが、冬休み期間中も練習に時間を割いて励んできた。ステージでは「千の風になって」と「イランカラプテ〜君に逢えてよかった〜」の2曲を披露したほか、曲の間には大沼の自然風景などの魅力を伝える群読で、観客の心を震わせた。
伴奏を務めた久保田夏生さん(1年)は「練習が始まったころは歌声がピアノの音程とはずれていることが多かったが、特技も異なるみんながそれぞれ個性を伸ばして一つにまとまった」と振り返る。大観衆の中でのステージだったが、リーダーの藤島達也君(2年)は「大沼は自然が豊かで、駒ヶ岳のそびえるきれいな場所だということを伝えたかった」と話す。
生徒たちに寄り添いながら指導してきた音楽の黒谷涼子教諭は「柔軟に対応する生徒の素直さが常にあった」、楢山校長も「思いを大勢の人に伝えることができたのは本当に素晴らしい。普段から何事にも全力で取り組む姿勢やメンバー以外の生徒の支え、地域の方々の協力が受賞につながった」と語る。
後日、新井さんから祝電があったほか、合唱を聞いていた一般の人から「まっすぐで一生懸命なステージは新鮮で心にドーンと響いた」と称賛する手紙が届いたという。藤島君は「音楽祭を通じて技術面も精神面も成長できた」と話し、生徒たちもこの経験から、仲間と一緒に思いを伝える大切さなどを感じ取ったようだった。
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