「冬の函館」動画配信で中国人観光客増へ

update 2018/1/3 07:56


 函館市は、中国人観光客に人気のある函館の冬季の観光動画を制作し、中国のインターネットサイトを通じ1月中に配信する。中国で函館の知名度は低いと言われており、PRを強化し旅行先として選んでもらう狙いだ。函館でのインバウンド(訪日外国人)の宿泊客数は、中国が台湾に次いで2位(2016年度は8万1081人)だが、市は誘客に向けたてこ入れを図る。

 本年度の新規事業で、海外への動画配信は初めて。中国で3強と呼ばれる「愛奇芸」「騰訊」「優酷」を含む4つ以上の動画サイトに、函館の観光動画3本を投稿。動画は1本あたり5分程度で、中国人をリポーターに起用し、中国人目線で函館の魅力を伝える内容とする。言語は中国語(簡体字)を使う。

 映像は雪と食のコンテンツを必須とし、坂道(八幡坂、二十間坂など)や教会群、函館港を紹介するほか、市熱帯植物園の温泉に入るニホンザルの風景も入れる。市観光部は「ニホンザルが温泉に入浴する姿を目当てに、函館を訪れる外国人もいる」と強調。また、この事業とは別に市が制作する、異国情緒漂うまち並みを発信する動画「恋人たちのまち」もアップする考えだ。動画の制作はいずれも専門業者に委託。

 投稿するだけでは見られないため、広告を使い各サイトでの再生回数は合計20万回以上を目標とする。

 中国では、規制で動画サイト・ユーチューブが視聴できないため、市はこれまで雑誌などの媒体を中心に情報発信してきた。市によると、本年度上期の中国人観光客は前年度比14・7%増の2万9124人。中華圏の正月にあたる「春節」もあることから、下期の方が中国人観光客の入り込み数は伸びる。

 函館空港では、中国の定期航空便(北京、天津、杭州、西安)が全て運休中という課題も。同部は「冬の動画で中国人に雪と食は人気。知名度を上げて函館を訪れる観光客増につなげたい」としている。

提供 - 函館新聞社

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