ヒグマに遭わない対策本を出版 電気柵で人の縄張り意識づけを 八雲の稗田さん、七飯の長谷さん共著

update 2025/10/27 07:14


 ヒグマの生態を正しく学び、遭遇リスクの軽減につなげてもらおうと、自然保護団体「流域の自然を考えるネットワーク」のフリーカメラマン、稗田一俊さん(八雲町)と、クマゲラ研究家の長谷智恵子さん(七飯町)が共著で「山でヒグマに遭わない・死なない観察力―その『痕跡』を見落とすな」(つり人社)を出版した。

 稗田さんは道内各地で野生動物を撮影。ヒグマと遭遇する機会も多く、行動や痕跡を記録しながら猟師や研究者、出没地域の住民らと交流を重ねてきた。ヒグマの危険性ばかりが強調されがちな報道の風潮を踏まえ、「恐怖ではなく、正しい理解と備えを伝えたい」と執筆した。

 書籍は5章構成。豊富な写真と現場での体験をもとに、ヒグマの生態や行動、食性を詳しく紹介している。行政の対策や、野生動物と共に生きる地域住民の姿も取り上げ、「北海道のヒグマの今」を多角的に描いた。

 第1章「ヒグマのうんちク」では、ヒグマのふんに含まれる植物や動物の痕跡から、食性や行動パターンを読み解く。痕跡を通じて生態を理解し、遭遇を未然に防ぐ観察力を養う内容となっている。

 第5章では、7月12日に福島町の住宅地で発生した人身事故や、道のヒグマ対策にも言及。稗田さんは「電気柵の設置など抑止対策を繰り返すことで、学習能力のあるヒグマに“人の縄張り”と認識させることができる」と指摘する。

 B5判、全272ページ(カラー刷り)。定価2970円(税込)。問い合わせはつり人社(電話03・3294・0781)へ。

提供 - 函館新聞社

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