函館市独自で軽症者収容施設の用意を検討 患者急増に備え
update 2020/11/18 07:34
函館市は17日、新型コロナウイルスの軽症、無症状者の宿泊療養先として道が市内で確保するホテルに関し、患者の急増などで準備が整わない場合は、市が単独で患者を収容するための施設を用意する考えを明らかにした。市内でクラスター(感染者集団)が発生したことを受け、19日に繁華街の飲食店を職員が直接訪れて啓発活動をするなど、予防対策に力を入れる。
同日に市役所で各部局の部長ら約40人が出席して開いた新型コロナウイルス対策本部会議で、今後の対応を決めた。
市病院局は新型コロナ患者について、同日時点で市立函館病院に重症1人、中等症4人を含む25人が入院していると報告。入退院や転院で日々の数字は変わるが、同病院単独で軽症者を収容できるのはあと5人程度だという。
現在は全体の病床数を30床減らし、コロナ患者の対応に職員を充当。道南で重症患者に対応できるのは同病院だけだといい、病床は一定程度の余裕を残しておく必要があるという。
市によると、道は道南での感染者の増加を踏まえ、軽症者向けの宿泊療養ホテルの開設に向けた検討に着手。ただ、開設を決定してから約1週間の準備がかかるといい、患者が自宅待機を余儀なくされる場合は、市が独自で施設を用意することも検討する。
一方、市は飲食店でのクラスターの再発を防ぐため、19日に駅前・大門地区と本町・五稜郭・梁川地区で酒を提供する500以上の店舗に対し、職員60人が各店を巡回してチラシを配布。換気やマスク着用など感染予防策を徹底するよう求める。店内で学生がアルバイトとして働き、感染に巻き込まれるケースもあることから、市内の高等教育機関にも注意を呼び掛ける。
病院や高齢者施設でのクラスター発生防止に向け、各施設には従業員の感染対策を徹底するよう要請。道が17日、札幌市との不要不急の往来自粛を道民に呼び掛けたことを受け、市職員に対し、感染多発地域への出張や家族を含めた旅行を慎重に検討するよう求めた。市民向けのチラシも作成する。
会議後、取材に応じた工藤寿樹市長は「クラスターが同時に出ると、札幌と同じように(濃厚接触者などが)追えなくなるので、今のうちに歯止めをかけたい。感染拡大している札幌市との往来は十分注意するよう市民にはお願いしたい」と述べた。
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