世界遺産登録で縄文施設の来場者3・2倍増 市教委推計
update 2020/11/5 06:02
函館市教委は、市内の垣ノ島、大船両遺跡を含む「北海道・北東北の縄文遺跡群」について、来夏に世界文化遺産に登録された場合、関連施設の市縄文文化交流センターと両遺跡の来場者数が今年度比で3・2倍に増えるとする推計値を明らかにした。観光客の受け入れ体制強化などを盛り込んだ3つの基本的な方向性も定め、世界遺産登録がもたらす効果の最大化を図る。
推計では、同遺跡群が世界遺産に登録された場合、来年度は同センターに6万4900人、隣接する道の駅に30万4200人、大船遺跡には3万900人が訪れると推計。来年6月公開予定の垣ノ島遺跡には、道の駅利用者の半数が来場すると想定し、15万2100人が来場すると見込む。登録2〜3年目(22〜23年度)は今年度比で1・5〜1・9倍、4年目(24年度)は23年度とほぼ同数で推移するとしている。
来場者推計は、近年国内で世界遺産に登録された「明治日本の産業革命遺産」のうち、市街地から離れ、登録前年度までの来場者数が同センターに類似する三重津海軍所跡(佐賀県佐賀市)と三池炭鉱・万田坑(熊本県荒尾市)を参考にした。
市教委は世界遺産効果を最大化するため、「資産価値の伝達と情報発信」「来訪者受け入れ体制強化」「地域社会との連携」の3つを基本的な方向性と定めて活動を展開。具体的には、デジタル技術を活用した遺跡展示の充実、交通アクセスの向上などに努める。
市教委生涯学習部の池田敏春次長は「登録に向けた多彩な事業を、行政だけでなく、市民や民間団体と連携しながら展開していきたい」としている。
国連教育科学文化機関(ユネスコ)は来年6〜7月に中国で開く世界遺産委員会で、「北海道・北東北の縄文遺跡群」の登録可否を審査する見通し。
政治・行政
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