酒米収穫スタート 七飯の箱館醸蔵「上々の出来」
update 2020/9/21 07:19
【七飯】七飯町大中山1で新たな酒蔵を建設中の箱館醸蔵(冨原節子社長)は20日、町中野の栽培圃場(ほじょう)で酒米の収穫を始めた。酒造好適米「彗星(すいせい)」を刈り取り、新しい酒造りへの意欲を新たにした。
冨原亮道議(渡島総合振興局区)や鳴海拓史渡島総合振興局長、中宮安一七飯町長ら約20人が参加し、稲穂刈り初めの神事を行った。三嶋神社の水嶋恵嗣宮司が祝詞(のりと)を奏上し、参加者が鎌で稲を丁寧に収穫した。新酒で乾杯し、豊穣の秋を祝った。
圃場は杉村久悦さん(68)が作る「彗星」約70アール。杉村さんは「今年初めて酒米を作ったが、出来は上々」と話した。
今年は町内の農家5戸が「彗星」「吟風(ぎんぷう)」を計6ヘクタール作付け、30トンを収穫予定。来年からは「きたしずく」も加わり、3品種18・5ヘクタールで90トンを収穫する計画。同社は酒米90トンを原料に、年間100キロリットルの清酒造りを目指す。
醸造責任者の東谷浩樹杜氏(とうじ)(52)は「全ての熱意を色濃く反映した『淡麗旨口』の酒を表現できるよう努力する。道南活性化の一助になるよう事業を進めていきたい」と決意を述べた。中宮町長は「酒蔵の見学など子どもたちの教育に生かせると期待している。酒かすは体に良いので、町内の洋菓子店と連携し別の産業の振興にもつなげたい」と力を込めた。
同社は道南で35年ぶりの日本酒造りに新規参入。来年2月から醸造を始め、3月下旬〜4月上旬に新商品が出来上がる予定。
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