上ノ国町花沢館跡から観音像出土

update 2020/7/22 06:34


 【上ノ国】第8回史跡上之国館跡整備検討委員会(臼杵勲委員長)が19、20の両日開かれた。2日目に花沢館跡の発掘現場視察が行われ、同館跡頂上付近で今年度出土した道内では初ともいわれる懸仏の如意輪観音像についての説明があった。

 委員会には臼杵委員長ら7人が参加。初日に、町総合福祉センタージョイ・じょぐらで史跡上之国館跡整備基本計画策定に関して議論し、2日目は花沢館跡視察後、勝山館跡ガイダンス施設で勝山館について考察した。

 花沢館跡発掘現場では、観音像を発見した発掘作業員、川口泰子さん(59)=町湯ノ岱=が、像が逆さまに埋まっていたことなどの発掘状況を説明。川口さんは「二十数年発掘に携わっていて、初めての出来事。見つけたときは鳥肌ものだった」と語った。

 観音像は片手に収まるほどの大きさで、背面は空洞。6本ある腕のうち、3本はなく、腕の取り付け穴のようなものが左脇の下に1カ所と右足の外側に2カ所空いた状態で発見された。

 委員の久保智康叡山学院教授は、像の本体部分が青銅で鋳造されたとみられると解説。「この場所に祠があったのかもしれない。かなり宗教性を帯びた館なのではないか。これまでの花沢館の考え方だけではなく、いろいろな意味で面白くなってきたのではないか」と、山城や武将だけではない花沢館の新たな魅力について述べた。

 今年度の花沢館跡の発掘作業は、5月19日から始められ、同観音像の一部を同28日に発見。6月2日に、観音像として掘り出した。

 発掘は引き続き9月ごろまで行う予定で、見学自由。作業場所は、国道228号脇の館跡入口付近にある「花沢館跡」のぼりが目印。問い合わせは、町教委文化財グループ(0139・55・2230)へ。

提供 - 函館新聞社

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