箱館五稜郭祭、碑前祭のみしめやかに

update 2020/5/17 07:35


 第51回箱館五稜郭祭(同協賛会、実行委主催)の碑前祭が16日、市内4カ所で執り行われ、箱館戦争(1868〜69年)で亡くなった戦没者を供養した。例年は初日の土方コンテスト、2日目の維新行列・音楽パレードなどが人気を呼び、多くの市民や観光客でにぎわうが、今年は新型コロナウイルスの感染拡大を受けて碑前祭のみ関係者が参列する形で開催した。

 このうち、千代ケ岡陣屋で戦死した中島三郎助と2人の息子を記念する中島三郎助父子最後之地碑(中島町)前では、中島町内会の元塚清美会長と、新政府軍の黒田清隆にふんした橋本弘昭実行委員長が父子をたたえる祭文を読み上げ、仙台藩額兵隊が3発の礼砲を鳴らした。大法寺の清水英公住職が読経し、参列した町内会役員が焼香して3人のめい福を祈った。

 碑前祭はこのほか、旧幕府軍の兵士を祭る碧血碑(谷地頭町)、土方歳三最期之地碑(若松町)、箱館戦争供養塔(五稜郭町)の前で行った。

 五稜郭祭の縮小は1970年の第1回以来、初めて。橋本実行委員長は「多くの市民に楽しみにしてもらっていた五稜郭祭の縮小は残念だったが、先人の霊にこたえる意味で、碑前祭だけはやろうと決意した。新型コロナ収束後は2日間、盛大に開催したい」としている。

提供 - 函館新聞社


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