自慢の脚力で地域貢献 人力車「えびす屋」料理など配達
update 2020/5/5 07:18
函館市豊川町の観光人力車「えびす屋函館店」(門馬孝介店長)は2日から、西部地区内にある飲食店のテークアウトメニューの宅配を始めた。4日にはこの取り組みを知った同地区内の企業からの依頼でマスクの配達も行った。門馬店長(38)は「観光客減少で仕事ができないなら、自慢の脚力で地域のためになることをしたい」と、新たな仕事に意欲を燃やしている。
同店は京都や広島県・宮島、東京・浅草など全国の主な観光地で観光人力車を運行するえびす屋のフランチャイズ店。2006年3月にオープンし09年に閉店したが、17年4月から再び営業をスタート。現在は車夫8人、人力車は5台で営業し、ベイエリアを中心に観光名所と地域の風情を楽しんでもらっているほか、同地区での清掃活動も欠かさず行っている。
観光客減少の影響が大きくなったのは4月10日ごろからで、すぐに飲食店の宅配を考えた。門馬店長は「従業員が少なく宅配ができないお店を応援したい」とハンバーガーチェーンの「ラッキーピエロ」、洋食店の「カリフォルニア・ベイビー」、焼きそば店の「宮里商店」など7店(一部は6日まで休業)に企画を説明し、了解を得た。
道運輸局などの機関に配達して良いことなどを確認し準備を整えた。チラシを作り配っている中、ある企業から取り扱っているマスクも配ってほしいと依頼され、残っていたチラシ1000枚に手書きでマスクもあることを周知。4日に入荷のあった分は早速注文者へ届けた。
配達区域は東雲町よりも函館山側。マスクは配達を依頼する企業の入荷状況による。「まだ始めたばかりだが『助かります』と感謝され、こちらもうれしい。原則、徒歩や自転車で届けるが、注文数が多い時などは人力車を使う場合がある」と門馬店長。関川元太副店長(36)は「体力は十分にあるので(西部地区)の坂道でも問題ない」と話す。
配達料は1品300円、2品以上は1品につき200円。配達の注文は、えびす屋函館店に希望する店のメニューを伝える。到着時に料理代などと配達料を支払う(現金のみ)。問い合わせは同店(0138・83・7618)へ。
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