コロナの影響で学生に悲痛な声 寮生活、バイト、帰省
update 2020/5/2 07:02
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、函館市内の大学では学内での対面授業ができず、休校が続いている。コロナ禍の学生からは大学寮での集団生活への影響、アルバイト先の休業による収入減、大型連休も里帰りできないなど、悲痛な声が上がっている。
道教育大函館校では、例年約180人の学生が大学寮で生活を送っている。ウイルスの感染拡大を受け、同校は今年度の授業開始を11日としている。感染予防として同校の学生寮では4月2日から寮生以外の立ち入りを禁止し、寮内に消毒液を設置するなど対策を施している。寮で生活する同校3年の吉田辰哉さん(20)は「自分の部屋から出るときはマスクを着用し、こまめな手洗いうがいを心掛けている」という。また、吉田さんは部屋のブロック代表者でつくる寮務委員会として、浴室や洗濯機、洗面台など共同で使用する箇所の消毒を毎日実施している。「学校から消毒液も支給され、予防は徹底しているが、感染のリスクはゼロにはできない。共同生活を続けていくのは不安がある」と漏らす。
一方、函館高専の学生寮では今年度207人が入寮。感染拡大を受け、4月7日に帰国できない留学生を除き、一時退寮の措置を取っている。
ウイルス拡大による道の要請を受け、函館市内の飲食店などでも営業の自粛が相次ぎ、影響は学生のアルバイトにも影を落とす。
道教育大函館校2年の伊藤碧さん(20)は、市内の居酒屋でアルバイト従業員として働いていたが、3、4月は人件費の削減から出勤がほぼなく、店は4月25日から6日まで休業となった。「バイトの収入がないので、実家からの仕送りで生活費は賄っている」とし「食事は3食自炊で済ませ、安く抑えられるよう工夫している。家計の管理にも気を付けるようになった」と話す。「このままの生活では不安なので、別のアルバイトを始めようか検討しているが、新しい環境に慣れるのも大変」と不安げだ。
大型連休を迎え、実家に帰省する学生も多い時期だが、家族の健康を配慮し、断念した学生も。青森県平川市に実家がある函館大3年の對馬圭一郎さん(20)は「青森に住んでいる姉の子どもが生まれたばかりで、初めて会うのを楽しみにしていたが、この状況では帰る訳にいかない。とても残念」と肩を落とす。
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