北斗星簡易宿泊所6月オープン 車両活用は全国初
update 2020/3/22 07:02
【北斗】市民団体「北斗の星に願いをプロジェクト推進委員会」(澤田導俊代表)は、市内茂辺地3の北斗星広場に保存しているJR寝台特急「北斗星」の客車2両について、簡易宿泊所として6月にオープンする計画を明らかにした。「また泊まりたい」というファンの声に応えるもので、2両で計11室を用意。北斗星の車両自体を宿泊施設に活用するのは全国で初めて。
同団体は2016年7月、クラウドファンディングなどで集めた資金を基に、旧茂辺地中学校グラウンドに北斗星の客車2両を移設。5〜11月に車両内を一般公開し、旅をテーマとした芸術祭「はこだてトリエンナーレ2019」の会場にもなった。
澤田さん(40)=澤田米穀店専務=によると、車両内に設置し、見学者が自由に書き込める「思い出ノート」に最も多いのが「もう一回宿泊したい」というリクエストで、地域のにぎわいの創出に―と簡易宿泊所の開設を決めた。
前方のB寝台ソロは8室のうち4室(1人部屋)、後方のB寝台は8室のうち7室(2人部屋)を使う。宿泊客に対しチェックインの時間を遅く、チェックアウトを早めるなどし、昼間の一般公開の時間を確保する。
洗面所3カ所は全て、シャワー室2室は1室を使えるよう工事する。公衆無線LAN「Wi―Fi(ワイファイ)は既に設置済みで、広場のカフェを受け付けにし、夜間は定点カメラで管理。受け付け係として茂辺地地区の住民1人を採用したほか、車両内の清掃を担う住民も雇用する予定。「北斗星が現役時代は、シャワーチケットがプレミアだった」(澤田さん)といい、シャワーを使えるのが目玉だ。
予約は、日本最大級の民泊情報サイト「エアビーアンドビー」主体に受け付ける。宿泊料は1人部屋、2人部屋とも1室1万円で、収益は全て車両の保存・修繕に充てる。
簡易宿泊所を開業するための申請は、同委員会と一緒に列車の保存活動を行う合同会社「青(※)」(北斗)が保健所や消防署で行う。事業費は約660万円。
澤田さんは「スポーツ少年団など子どもたちが使え、地域貢献ができる。また、市内は観光客の宿泊施設が少ないので、近くのトラピスト修道院などの観光拠点になれば」と話す。
全国では、上野―秋田・青森方面を結んだ寝台特急「あけぼの」も、秋田県小坂町で宿泊施設として活用されている。
※文字は「青」の異体字。下部が「円」。Unicode9751。文字化け防止のため置き換えました(いーハコダテ事務局)
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