「松前さくらまつり」70年ぶり中止 町民、理解と不安交錯

update 2020/4/4 07:21


 【松前】新型コロナウイルスの感染拡大による「第72回松前さくらまつり」(松前観光協会主催)の中止決定を受け、町内には「やむを得ない」とする受け止めと、先の見えない不安が交錯している。

 同イベントの中止は、1949年の松前城天守閣焼失で翌年のまつりが中止になった時以来、70年ぶり。松前公園のサクラの維持管理に取り組むボランティア団体「松前花の会」の佐藤均会長は「今年はサクラの開花が早く、連休中に多彩な品種が見られるはず。中止はやむを得ないが寂しい」と話す。

 目玉催事の一つ「春の松前物産フェア」も中止となり、主催する松前物産協会の大西仁会長は「非常に痛手。函館や札幌の催事も次々に中止となり、店頭での売り上げも落ち込んでいる」といい、「せめてお盆までに感染拡大が収まってくれれば」と願う。まつりに出店予定だった「あさみ商店」の店主、浅見千恵子さん(67)は松前藩屋敷内に店を開くが「イカなどの材料不足に悩んでいるところに新型コロナが重なり、ダブルパンチだ」と明かす。

 町福山の温泉旅館矢野は例年、まつり期間の1カ月以上前から予約がいっぱいになるが、今年はまだ半分ほどしか予約が入っていない。社長兼おかみの杉本夏子さん(46)は「苦しいが、20人の従業員の雇用だけは守っていかなくては」と決意を強めている。

提供 - 函館新聞社

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