水産、青果市場で初競り 工藤市長「育てる漁業」へ
update 2020/1/6 07:42
函館市水産物地方卸売市場(豊川町)と市青果物地方卸売市場(西桔梗町)で5日朝、令和になってから初めてとなる年始恒例の初競りが開かれた。関係者が今年1年の商売繁盛に願いを込め、市場が活気に沸いた。
〇…水産市場では約300人が集まり、午前7時から「初売り式」を開いた。
施設開設者を代表し、あいさつした工藤寿樹函館市長は「気候変動が海に異常をきたしている」とした上で、近年不漁が続くスルメイカや天然コンブへの影響のほか、恵山や南茅部地区などでは「これまで見られなかったアワビや大きなサバなども確認されている」と説明。「海の変化が今後も続くのかは分からないが、函館の水産業を捕る漁業から育てる漁業へと変えていかなければならない」と力を込めた。
函館魚市場買受人組合の利波英樹組合長の発声で手締めを行い、今年1年の豊漁や商売繁盛を祈願。その後競りが始まり、競り人の威勢のいい掛け声が場内に響いた。
この日の入荷量は約18トンで、釣り上げた後、船上で発泡容器に詰める「下氷イカ」約2トンのほか、メバルやヒラメなどが並んだ。
〇…青果市場の初競り式は、函館巴太鼓振興会の演奏で始まり、丸果函館合同青果と東一函館青果の卸売2社と市の関係者ら約100人が集まった。
谷口諭副市長が「市民の日常生活を支えるため、安定供給が大切」とあいさつ。東一の木戸浦静男社長は「取扱量の減少など課題は山積みだが、乗り越えたい」と決意を述べた。続いて丸果の勝木敏孝社長の発声で三本締めをした。
初日の入荷量は野菜が57・2トン、果実が18トン。卸売業者と仲卸業者らが話し合いで取引する相対売りが中心だったが、競りの開始を知らせる鐘が鳴ると、ダイコンやトマトなどの競りが行われた。
東一の担当者は「初日は日曜で、入荷量が通常の3分の1程度と少ない。昨年は本州産が台風被害で品質や数量が安定しなかったので、今年に期待したい」と話していた。
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