「宿泊税、簡素な制度を」観光財源検討委が提言書
update 2019/12/27 07:01
函館市が導入を目指す観光目的税について検討してきた「市観光振興財源検討委員会」の奥平理委員長(函館高専教授)が26日、市役所で工藤寿樹市長に提言書を手渡した。課税方式には言及しなかったが「宿泊税」導入を求める内容。奥平委員長は「簡素で、一定程度の財源確保が見込まれる制度が望ましい」と述べ、宿泊事業者らへの最大限の配慮を求めた。
同委員会は有識者と宿泊事業者によるオブザーバーで構成。7月から5回の会合と、パブリックコメントなどを踏まえ、「観光振興施策の展開に必要となる自主財源の確保が必要」と指摘。観光振興施策など行政サービスの恩恵を受けていることに対する負担の観点、宿泊客の多くが観光客であることから、宿泊行為に課税する「宿泊税」が望ましいとする提言書をまとめた。
工藤市長は議論を続けた委員らに感謝の言葉を述べつつ、「簡素にするなどヒントをもらった。(人口減少で)税収の減少が見込まれるが、財源確保ができれば後退することなく、観光振興に充てていける」と話した。
また、課税方式について「意見などを踏まえると、定額制が事業者にとっても徴収しやすいのでは」とコメント。税自体は「市が提供するさまざまなサービスに対する負担」という考えで、宿泊料金に一定の税率を上乗せする定率制よりも観光客の理解を得やすいとした。
一方、道も宿泊税を検討しているが、市町村との二重課税になることなど、調整すべき課題が多く、「市町村と協力しないとできないはずなのに勝手なことを言っている。道がまとめられるのか心配」とした。
奥平委員長は「宿泊事業者のヒアリングでは定額制がいいと聞いている。観光財源は非常に大きい。導入されれば、他の財源が不足する施策に予算を回すことでき、市民全体に還元される」と期待した。
市は提言書を踏まえ、来年2月の市議会定例会に関連条例案提出する。
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