野外劇に57年愛用の太鼓を寄贈、自ら出演も

update 2019/8/10 07:05


 市民創作「函館野外劇」の第32回公演「星の城、明日に輝け」で、7月に市民から寄贈された和太鼓が使われている。寄贈者は元教員、丸山四郎さん(87)で、57年にわたって愛用してきた和太鼓。丸山さん自身も9日の公演を含めて3回出演し、粋な祭り太鼓の音を響かせた。

 丸山さんは小学校教員時代の30歳の時に念願だった太鼓を購入。月収1万円台の時代に5万円以上したという。自身の名前にちなんで「五郎」と名付けて大切に使い、現役時代は、学校の運動会などでも活用してきたが、高齢となり、大切に使ってもらえる寄贈先を探していた。一方、野外劇の会では、毎年、町会などから太鼓を借りてきたが、市内の祭り時期も重なるため、太鼓の確保が課題の一つだったという。

 丸山さんは、今季公演が始まる直前の7月上旬に新たに購入した太鼓を置く台と合わせて同会に寄贈。同会が逆に丸山さんに出演を打診した。金曜日の公演を担当し、函館大火後に始まった函館港まつりのシーンで太鼓を打ち鳴らし、苦難から立ち上がる函館市民の踊りを盛り上げた。

 丸山さんは「コロポックルを演じる小さな子どもたちが踊る姿や熱気があって、感動している。野外劇で使われて、『五郎』が一番喜んでいると思う」と笑顔を見せていた。

 野外劇の今季公演は10日が最終日で、午後7時半開演。雨天中止の場合は11日に開催する。問い合わせは同会(0138・56・8601)へ。

提供 - 函館新聞社

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