徳島〜奥尻1030キロ アサギマダラ北上ルート2例目確認
update 2019/6/2 07:09
【奥尻】海を渡るチョウとして知られ、徳島県阿南市で5月24日に捕獲したことを示すマーキング(標識)があるアサギマダラが同30日、奥尻島北端の賽(さい)の河原公園(奥尻町稲穂)で再捕獲された。道南虫の会事務局(函館)によると、本州以南からの初夏の北上ルートでは、道内では2013年6月以来2例目で、最北の確認記録。阿南市から北北東に約1030キロ離れた奥尻島まで6日で移動したことになる。
捕獲者は、同町在住の成田英博さん(65)。成田さんは6年前から年間40〜60匹にマーキングを施しているが、標識済みの個体を捕まえたのは今回が初めて。同30日午後1時ごろ、羽に「トクスヤKYS482 5/24」と書かれたアサギマダラを捕まえた。
成田さんは早速、虫の会事務局の対馬誠さん(62)に連絡を取り、インターネット上で情報提供を呼び掛けたところ、まもなく阿南市の畜産業、米山喜義さん(68)が捕獲したものだと分かった。
同公園周辺では、例年この時期にアサギマダラが好むスナビキソウが花を咲かせる場所があり、成田さんは同23日に今季1匹目を捕まえ、同30日までに約20匹にマーキングした。徳島の個体も「オクシリ」の文字を入れ、再び放した。成田さんは「びっくりした。飛行してきたコースは分からないが、四国からも来ることが分かった」と喜ぶ。
一方の米山さんは活動歴10年ほどで、農地で育てているスイゼンジナに寄ってきたアサギマダラを捕まえ、今季は約500匹に標識を書いて放ち、奥尻で見つかったのはそのうちの482番目の個体。これまでに福島県や栃木県などからの個体を捕まえたり、米山さんの標識付きの個体が九州や沖縄で発見されたことはあったが、この時期の北上ルートでの確認例は初めてという。
米山さんは「連絡をもらって大変驚いたし、喜んでいる。今年は5月3日に奄美からの個体を捕まえたが、例年より移動時期が早め。北海道が全国で最も暑くなったニュースがあったが、うまい具合にその際の暖気に乗っていったのではないか」と話す。
対馬さんによると、道南虫の会は1999年以降、毎年アサギマダラの観測を続け、北上ルートの再捕獲は13年5月21日に大分県姫島村を飛び立った個体を、同6月3日に上ノ国町内で捕獲した事例1例のみ。秋の道南からの南下ルートでは、昨年確認した2匹を含め6例ある。
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