陸上の町井が道栄高、大越が慶應義塾高へ

update 2019/3/30 07:11


 陸上の中学生スプリンター2人が4月から道南を離れ、道内と本州の高校に進学する。浜分中3年の町井大城が北海道栄(胆振管内白老町)、附属中3年の大越隆聖が慶應義塾(神奈川県)で、故郷で競い合ったライバルは、全国大会で再会することを誓い、新天地で走り出す。

「3年目で最高タイムを」 全中200覇者の町井(北斗浜分中)

 昨年は全国中体連で100メートル3位や200メートル優勝と大活躍した町井。「地元を離れるのは寂しいが、自分で決めたこと。精いっぱい頑張りたい」と意気込む。
 「決め手は学校環境が合っていたから」。昨年11月に同高を訪問。部活動も見学し「これまで全道大会などで出会った仲間もいて、毎日が遠征のような顔触れ。部活も今までやってきたことと同じ風景が目に浮かんだ」と高校生活をイメージできた。また、昨年インターハイ男子400メートルを連覇した森周志(湯川中卒)ら道南出身の先輩の存在も大きな理由になった。
 町井の原点は、中学1年時の大会。100メートルの標準記録11秒90に届かず、全道切符を逃したが、その次の大会で11秒89をだせた。「なぜ、あの時に出せなかった」と自分の走り方と向き合うきっかけになった。トップ選手の走りを分析し「動画を見ては、共通点を探った」。練習メニューも自分で考えるようになり「タイムにもつながったし、陸上競技の面白さを知った」という。
 小学生から競い合った仲で、ライバルの大越も意識する。「互いに日本一を目指そうと誓った。全国大会で再会できれば」と楽しみにする。
 高校では「3年目で最高のタイムを出せるように調整したい」と目標を設定。持ち味の後半の伸びにつながるストライド走法に磨きをかけるつもりだ。さらに「専門的に筋力も鍛えたい」と町井。自分の理想の走りを追い求める。
 「将来は陸上で活躍したい気持ちはある」。浜分小1年時に父親と一緒に競技を始めた。大好きな陸上ができることを両親に感謝し、憧れの桐生祥秀選手のようなスプリンターになって恩返しできる日を大きな目標にして、新天地に臨む。

「文武両道で成績残す」 附属中の大越

 昨年全国中体連大会100メートルと200メートルで6、8位と上位入賞した大越。「文武両道で今まで以上の成績を残す」と意欲を燃やす。
 慶應義塾の練習会場となるトラックは、慶応大学との共用施設で慶大生を始め、五輪選手らトップ選手も活動拠点として利用する。一流選手とともに練習する機会もあり「大学の付属高で競技にも集中できる。施設の充実やモチベーションも上がる」と志望理由を話す。
 小学6年生時に100メートル6位入賞した全国大会で出会った山縣亮太選手(リオ五輪4×100メートル銀メダリスト)の存在も大きい。昨年、日本選手権100メートルで5年ぶりに優勝を果たした山縣選手を見て、大越は「2015年は、けがで途中棄権した。諦めない気持ちが強い。尊敬する選手です」と慶大出身の山縣選手と同じ進学先を志した。
 昨年の全国中体連200メートルの悔しさは忘れられない。準決勝で自己ベスト21秒99を更新したにもかかわず、決勝では体力が持たずに失速し8位。大越は「今でも一番悔しいレース。高校では今まで以上スタミナをつけたい」と決意する。
 高いモチベーションはライバルの存在がある。特に全国中体連100メートルで共に走った町井大城(浜分中卒)に「大城がいなかったら速く走れなかった。切磋琢磨してきた」と感謝する。「僕は神奈川代表として、決勝で対戦したい」と大舞台での再会を目標に練習に励む。
 父・信幸さん(49)と3歳から陸上競技を二人三脚で取り組んできた。「時に厳しかったが、父は常に優しく指導してくれた。2人で成長できたことに感謝したい。いつかオリンピックに出場できる選手になれれば」と大きな舞台に立つことを夢見て、新たなステージを走り出す。

提供 - 函館新聞社

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