労災死者数7人 道内で3番目の多さ 18年統計速報
update 2019/1/23 07:35
函館労働基準監督署は、昨年1年間に同署管内で発生した労働災害の統計(速報値)をまとめた。全産業の労働災害件数は474件で、前年(2017年確定値)の件数を27件下回ったが、死者数は7人に上り、道内17労基署で3番目に多い結果となった。
死者数は前年より2人増加。7月は福島町で鉄塔に送電線を張る工事中、仮設ロープを通す滑車が50メートルほどの高さから落下し、頭に直撃した男性作業員(68)が死亡するなど3件が相次いで発生。12月にもいずれも車で走行中にスリップし、対向車線に飛び出した交通事故で2人が死亡した。
業種別にみると、最多は製造業の108件。建設業は77件と17年に比べて4割以上増えた。同署安全衛生課の下家智章産業安全専門官は「工事現場の数が増え、仕事量が多くなっていることが考えられる」と要因を指摘。一方で道路貨物運送業は、初の3年連続死亡ゼロを達成した。
過去10年の傾向をみると、全産業での発生件数は500件前後とほぼ横ばい。死者数は、2012年に12人だったが、16年に1人まで減少した。ただ、死者数がここ2年は増えており、同署は啓発活動に一層力を入れたい考えだ。
同署は冬場の労災防止策として、@雪や凍結による転倒や転落、交通事故A飲食店など締め切った屋内でのストーブの使用による一酸化炭素中毒―の2点に注意するよう促している。
同署は12〜3月の間、転倒災害がゼロなら達成月の葉の色を塗りつぶし、クローバーを完成させる「てんとう防止運動」への参加を各事業所に呼び掛けている。下家産業安全専門官は「会社の敷地内などに砂や融雪剤を撒くことで、転倒をある程度防げる」と話していた。
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