雪の五稜郭に勝ちどき響く 榎本らの無血入城再現

update 2018/12/11 07:42


 榎本武揚率いる旧幕府軍が五稜郭に入城した旧暦の1868(明治元)年10月26日からちょうど150年に当たる9日、「無血入城行進の再現」が国特別史跡・五稜郭跡で行われた。榎本らの衣装に身を包んだ旧幕府軍の一団が橋を渡って郭内に入り、箱館奉行所前で勝ちどきを上げた。

 箱館五稜郭祭協賛会の主催で、2019年に迎える戊辰戦争終結150周年と箱館五稜郭祭第50回記念をPRするプレイベントとして企画された。

 榎本らは旧暦の明治元年10月21日、森・鷲ノ木に上陸。新政府軍との戦闘を経て、5日後の同26日に五稜郭に到着した際には、旧箱館奉行所に置いた箱館府の清水谷公考府知事ら役人は青森に退いた後で、榎本は艦隊を湾内に入れ、箱館を手中に収めた。

 行進は入城シーンを再現するもので、幕府軍が軍旗として用いた日の丸を持った旗手を先導役に鼓笛隊、馬に乗った榎本と松平太郎役らが続いた。奉行所前では、2基の大砲で祝砲を鳴らし、榎本の合図で「エイエイオー」と声を上げた。

 榎本役を務めた箱館稜雲社の佐藤竜也さん(60)は「馬上の眺めはなかなか良かった。(参加者も)150年前の出来事に意義を感じているのでは」と話していた。

 また、五稜郭タワーアトリウムでは、荒到夢形さんによる講談「五稜郭と榎本武揚」が行われ、榎本と箱館戦争で戦死した中島三郎助や土方歳三との出会い、箱館戦争での激戦、その後の明治政府での活躍をドラマチックに伝えた。

提供 - 函館新聞社

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