Xマスイブに幼児保護した大木さん 家族の安心と幸せもお届け

update 2015/12/31 10:19


 クリスマスイブの24日、函館市内で家族が目を離したすきにまちへ飛び出した幼児2人を、函館中央郵便局の配達員、大木聰士さん(37)が見つけ、家族へ無事届けるお手柄があった。親子は「郵便配達のサンタクロースさんありがとう」と感謝している。

 保護されたのは、市内の亀田凌功(りく)ちゃん(3)と勇羽(ゆう)ちゃん(2)。母親の育代さん(43)が函館新聞に「いつも我が家に来てくれる配達員の男性が子どもを助けてくれた」と投書を寄せた。

 育代さんによると、24日正午ごろ、3人で昼寝をしていたが「私が目覚めた時には子どもの姿がなくて…」。兄弟はジャンパーとリュックを背負い、玄関の鍵を開けてマンション6階をエレベーターで降り、2人だけの初めての“散歩”へ出掛けていた。

 午後2時ごろ、バイクで配達業務中の大木さんが、マンションから約200メートル離れた幹線道路の対岸の歩道にいる2人を目撃。「いつもはお母さんと一緒にいるのにおかしいな」と思い、声を掛けた。市電が大好きな2人は車両を見るなり大はしゃぎ。交通量も多く、大木さんは「これは危ない。交通事故に遭わせられない」と機転を利かせて近くのコンビニエンスストアに2人を預け、住所を知るマンションに急いだ。

 育代さんは1時間ほど2人を探し回っていた。行き違いで1回目の訪問時は会えず、「2回目のチャイムで涙目のお母さんが出てきた」(大木さん)と育代さんが署員に捜索を依頼しているところだった。

 同郵便局では地域の見守り活動に力を入れている。大木さんは「私にも同世代の子どもがいて、親が子を愛する気持ちが分かる。当然のことをしただけ」と職場に報告をしていなかったが、亀田さん家族が「あらためてお礼に伺いたい」と、30日に同郵便局を訪問。兄弟手作りの折り紙のメダルを大木さんに手渡して感謝を伝えた。

 大木さんは「お母さんたちの言うことをしっかり聞いてね」と2人と握手。育代さんは「子どもの姿が見えなくなった時は不安でどうしようもなかった。無事であることを知り、大木さんが本当のサンタクロースに見えた」と頭を下げていた。

提供 - 函館新聞社

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