昨年度の函館、犬猫殺処分20%減少

update 2015/12/28 10:29


 市立函館保健所で2014年度、飼い主の事情などにより引き取った犬猫のうち、殺処分した件数は309匹(保管中死亡含む)で、前年度の388匹から約20%減少した。引き取りの有料化や終生飼養の周知徹底、ボランティア団体による譲渡活動が活発化していることなどが奏功している。

 同保健所によると、14年度に引き取った件数は犬が111匹、猫が464匹。そのうち譲渡されたのは犬が46匹、猫は158匹だった。

 函館市は終生飼養の取り組みを強化するため、12年7月から飼い主からの引き取り有料化をスタートし、生後90日以下の犬猫は10匹まで2100円などと設定。増加傾向だった引き取り件数は、11年度に犬猫合計で905匹を数えた後、12年度758匹、13年度623匹、14年度575匹と順調に減少している。

 同様に殺処分の件数も11年度に犬41匹、猫757匹だったのが、14年度は犬3匹、猫306匹と激減した。猫の中には生まれて間もない時期に捨てられた子猫が処分を待たずに死んだケースも多かった。

 引き取り理由として最も多かったのは、犬猫ともに「飼い主が病気や高齢化によって入院、入所し、飼育できなくなった」ため。このほか、「引っ越し」や「飼育費用の負担増」「予定外の繁殖」などが目立った。

 また、殺処分件数の減少には、愛護団体が保健所から引き取り、積極的に譲渡会を開くなどして動物の命を救っていることも、大きく関与している。  市のボランティアグループ「函館ワンニャンパトロール」(西田のり子代表)では、4〜11月に行っている譲渡会を、昨年までの月1回から、今年は毎週日曜日に開催。市民イベントでブースを設けることも多く、今年は118匹の犬猫を新しい飼い主に託した。年々活動を活発化させるとともに、譲渡後の飼い主の相談対応にも力を入れており、毎日のように問い合わせが寄せられているという。

 西田代表は「動物は自らの気持ちを言葉で伝えられないが、人間と同じく命を持っている」とした上で「人間の考え方が変わらなければ殺処分はなくならない。動物を家族に迎え入れる前はしっかりと考えてほしい」と話している。

提供 - 函館新聞社

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